指で触って楽しむ「江戸のインターネット」浮世絵

【Interview】新藤茂先生「浮世絵随談」@神奈川大学公開講座

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役者絵

――はい。黒い着物を着た二人の役者さんの絵ですね……

ちょっとこの絵を、傾けてみてください。そして、黒い着物に注目してみてください。

役者絵

役者絵

――あれ! 紙の角度を変えたら、光の反射具合が変わって、着物に文様が浮かび上がってきましたね。

これは、浮世絵の正面摺(しょうめんずり)という技法。絵が摺り上がった後、光沢を出したい部分の下に模様を彫った版木を置いて表面からこすると、こういう文様のあるツヤが出てくるんです。

額に入れるのは西洋の鑑賞法。浮世絵は手に持たないと

――たしかに。これはガラス越しだとなかなか気づかないかもしれませんね。

絵画というと額に入れて飾るイメージが強いですが、それはあくまで西洋の絵画の楽しみ方です。当時の日本人は、浮世絵は、こうやって手で持って眺める楽しみ方でしたから、こういう絵画技法が生まれたんでしょうね。

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