天橋立、股のぞきで脳をだます錯覚のマジック

【Interview】和氣洋美先生(神奈川大学名誉教授)

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股のぞきは小さく、縮む

「また、昨年には『股のぞき効果』についての研究で、日本の心理学者がイグノーベル賞を受賞しました(イグノーベル賞はノーベル賞のパロディーとして、人を笑わせてくれる研究に与えられる賞)。

『天橋立の股のぞき』は明治時代に生まれた言葉で、前屈して股の間から天橋立を逆さまに見ると奥行きが感じられなくなり絵のように見えるのですが、『股のぞき』して物を見ると、遠くの物が小さく縮んで見えることを、立命館大学の東山篤規(あつき)教授と大阪大学の足立浩平教授が実験で証明したのです。

このようにしばしば脳は錯覚を引き起こします。錯覚とは、過去の記憶や学習との照合からくる差異であり、正常な視覚認知機能であれば普通に起こりうることです。逆に、視覚認知機能が不良な場合、視覚情報の統合ができずに、錯視を起こしづらい傾向が出てきます」

視覚認知機能検査を発達障害児の早期支援に役立てる

発達障害児は視覚認知機能が不良なことも多いことから、和氣先生は冒頭にあげたような図形で視覚認知機能をテストすることで、発達障害児の診断に役立てようとする研究を進めているという。

この研究についてのくわしい内容は、後日掲載予定です

和氣先生の耳元に揺れる、錯覚を起こしそうな幾何学模様のピアスが印象的でした

2017年3月4日取材

文・写真/yukako 図版・動画/和氣洋美

〔関連講座〕錯覚の心理学

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