プログラミング教育必修化に親はどう備えればいいか

小中学生のためのプログラミング対策講座(その2)@東京理科大学公開講座

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ゲームは悪者ではない

講座を企画・運営する有馬さん

講座を企画・運営する有馬さん

講座を主催した有馬さんはこの日の意図をこう語っている。

「ゲームはよく悪者にされますが、全然、そんなことはありません。ゲームはプログラムから成り立っています。子どもたちには、大好きなゲームを通して、プログラミングの楽しさや大切さを体験してほしい。数十年後、ロボットとAIで人間の仕事がなくなるようなことが言われていますが、ロボットを動かすのも、AIを動かすのもプログラム。それを作る人の仕事は決してなくなりません」

「スマホばっかり観てないで、勉強しろ!」。そう子どもにいい続けた我が姿勢を振り返り、あいつにも小さな時にこのような講座を受けさせていれば、と少し反省した。この講座では、遊びだけでも、勉強だけでもない、コンピュータとのもうひとつのつきあい方を見つけられそうだ。子どもにとってはもちろん、親にとっても。講座後、子どもたちは「Raspberry Pi」とともに自分の作ったゲームを持ち帰ることができる。この日の興奮も持ち帰ってほしい。

が、何とか無事に終わりそうだとホッとしていると、その一瞬の安堵をあざ笑うかのようにまた子どもの声が……。

「ねえねえ、マインクラフトやっていい?」

自分の作るゲームをああしたいこうしたいと講師を悩ませていた子だ。講師がノートとペンまで取り出し、デスクに張り付くように懸命に考えている間、自分はちゃっかりコンピュータに入っている既存のゲームを見つけ、それをやりたいと言い出したのだ。
キミなあ、いま、講師のオニーサンが、キミの無理難題をかなえようと懸命に考えているんじゃないか! そう言いそうになったが、子どもたちのはしゃぐ様子を見てハッと口をつぐんだ。

小学校ではプログラミングの授業が始まろうとしている。いまからコンピュータに触れさせたいと思っている親は多いに違いない。子ども向けのプログラミング講座は、この東京理科大をはじめ、すでにいくつかの大学が企画し、今後も増える見込みだ。プログラミングを日常的に使っている研究者や学生が講師なので、内容は楽しく意外に実践的、しかも丁寧に教えてくれる。勉強もいいけどまずは体験と実感を。教育熱心な親たちもきっと「それでいいのだ」と納得するだろう。

〔講演中の今日イチ〕

ゲームは悪者ではない。楽しみながらプログラミングを覚えるにピッタリのツール。

〔受講生の今日イチ〕

親御さんの願いは、「コンピュータでYouTubeばっかり見ているような受け身ではなく、”作る側”の人間になってほしい」

〔前の記事〕小学生が2時間で体得したゲームのプログラミング法

取材講座データ
小型PCで学ぶ小中学生のためのプログラミング対策講座~ゲーム作りを通してプログラミングを楽しく学ぶ~ 東京理科大学公開講座 2017年1月15日

2017年1月15日

文・写真/本山文明

〔関連講座〕小型PCで学ぶ小中学生のためのプログラミング対策講座

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