私は、学ぶことが得意ではありません。興味のないことにはまったく食指が動かず、たとえマンツーマンで話をしていても、(失礼ながら)会話の内容が右から左という状況になることも多々あります。
そんな私は、大学生活の4年間では、残念ながら心を奪われるような、生涯のテーマとなるような学問に出会うことはできませんでした。ですが、社会に出てから役に立っているな、と思えた講義があります。それは、「調査手法」に関する講義です。
その講義では、国会図書館の使い方、文献引用の仕方から取材先への電話のかけ方まで、調査の作法やノウハウが詰まっていました。
特に心に残っているのは、この講義をしてくださった先生が、今でも、取材先への電話をかける際には、最初の挨拶、自己紹介から終わりのお礼まですべて紙に書き出す、とおっしゃっていたことです。非常に実績のある研究者の方の、調査に対する姿勢を身近で経験し、そのエッセンスをうかがい知ることができたのは、今考えても大変貴重な経験でした。
私は、学ぶことが得意ではありませんが、だからこそ、これからも学ぶ姿勢を忘れずに努力していきたいと思います。