数学も科学も読解力も
OECDは2000年から3年おきに、PISA(Programme for International Student Assessment)と呼ばれる、一種の学力試験を実施している。これは、15才児を対象として、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野について到達度を調査するものだ。最新の調査である2015年のランキングでは各分野で10位までの順位は次のようになっている。
〈数学的リテラシー〉
(1)上海
(2)シンガポール
(3)香港
(4)台湾
(5)韓国
(6)マカオ
(7)日本
(8)リヒテンシュタイン
(9)スイス
(10)オランダ
〈読解力〉
(1)上海
(2)香港
(3)シンガポール
(4)日本
(5)韓国
(6)フィンランド
(7)アイルランド
(7)台湾
(7)カナダ
(10)オランダ
〈科学的リテラシー〉
(1)上海
(2)香港
(3)シンガポール
(4)日本
(5)フィンランド
(6)エストニア
(7)韓国
(8)ベトナム
(9)ポーランド
(10)カナダ
東アジアの国々が優勢であることがわかる。つまり、東洋の国々である。
では、なぜ東アジアに優れたリテラシーを持つ子供たちが多いのだろう。日本女子大学公開講座で「グローバル時代の東洋思想と日本」を担当する谷中先生は、大きな理由として、“儒教”を挙げる。