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グローバル時代の東洋思想と日本(その2)@日本女子大学

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漢字とは思想を学ぶこと

そして忘れてはならないのは、儒学を学ぶときに一緒に漢字を学んだということだ。江戸時代の日本は、藩校や寺子屋など、身分の上下を問わず教育機会が得られる教育先進国だった。

「漢字はアルファベットと違って、一字一字が意味をもつ文字です。心、人、愛、思。みな一つ一つの字に意味があります。また、儒教には仁義礼智信という強烈な倫理思想があります。とは思いやり、とは社会的正義を実現しようとする意志、とは人間関係を円滑にしようとするルール、とは知恵、とは人間同士の人間関係。こうした漢字を学ぶたびに、その思想が入ってくるのです。漢字を使用している、また使用していた国は、漢字を通して思想を学んできたのです。儒教文化圏は、漢字文化圏でもあります」

たしかに、冒頭にあげたPISAの上位国、中国、香港、台湾、韓国、シンガポールは漢字文化圏でもある。ベトナムも、フランスが支配するまで長く中国の支配下にあったため漢字が使われてきた歴史があり、愛をベトナム語でアイというなど、今も多くの言葉が漢語由来だという。

聞けば聞くほど、私たち日本人の中に持っている、学習への意欲や道徳心について、もう一度東洋思想から学び直したくなってくる。

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取材講座:グローバル時代の東洋思想と日本(日本女子大学公開講座)
文/まなナビ編集室 写真/(c) xy / fotolia

 

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