社会人になってから英語が好きになった私。学生時代の文法の悪夢から解き放たれ、好きなものを好きなように読めばよかったから、手当たり次第に読み漁った。ハリーポッターだって、指輪物語だって原書で堪能した。
話すのは、当たって砕けろの体当たり英会話。大好きなベーグルの食べ歩きのために、真冬のニューヨークのひとり旅を2回敢行した。1週間の滞在時には毎朝毎晩同じベーグルやさんに通い、トーストウィズバターを注文し続けた。ベーグルはサンドイッチにすると5ドルを超えるが、これなら1ドル以下でいける。横半分にカットし、バターをたっぷりはさんでアルミホイルで包んだら、トースターへ。数分待てば、バターしみしみの美味しいベーグルにかじりつけた。毎回いちばん安いこのメニューを注文し続ける私をかわいそうに思ったのだろう、ある日、店員さんがクリームチーズをたっぷり挟んだものを出してくれた。正直、私はクリームチーズが苦手だけれども、その時ばかりは残さず頂いた。
グッゲンハイム美術館に開館1時間前に到着したため、寒風吹きすさぶ中、立っていた。あまりにも寒くて、思い切って隣に立っていた青年に話しかけた。よほど私が幼く見えたのか、たったひとりでニューヨークまでやってきたことに驚き、開館までおしゃべりに付き合ってくれた。その方はアーティストで、教えてもらったホームページを見たら、素敵な抽象的な水彩画が並んでいた。最近、偶然見つけたフェイスブックの写真では、かなりいいおじさんになっていた。年月の経過を実感する。
人生をかえたくて、35歳のときに貯金をはたいてバンクーバーに半年ホームステイをした。通った現地の語学学校には韓国人が半分以上在籍していた。スピーチの授業の時に、韓国には兵役があることを初めて知った。同じアジア、しかもお隣の国なのに、ほとんど何も知らないことを恥ずかしく思った。彼は入隊1年目、理不尽に殴られ続けたことに深く傷つき、自分が上級兵になったときには絶対に殴らないと心に誓い、それを守りとおしたそうだ。20歳といえば、私は大学で、のほほんとすごしていた時期。あまりにも違う青春時代にがくぜんとした。 今は、テレビの語学番組やニュースで英語に触れるだけだが、話す機会を獲得したい。そして、3年後には東京オリンピック・パラリンピックが開催される。そうすれば私の住む横浜にだって、今まで以上に外国人が訪れるに違いない。その方たちに滞在を楽しんでもらえるようなおもてなしがしたい。地元の知識を増やして英語で案内できるようになりたい。
英語で広がった視野
12月の一次審査通過作文/「学びと私」作文コンテスト
空野ももさん(46歳)/神奈川県/最近ハマっていること:オーディオを買い替えBluetoothが使えるように。YouTubeから流れるSuperflyさんの曲にあわせて歌って踊ること
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