苦手だったパソコンから広がった創作の世界

9月の一次審査通過作文/「学びと私」作文コンテスト

森田 章さん(73歳)/埼玉県/最近ハマっていること:孫が大学のアメフトの試合に出ているのでルールを覚えライブ中継で楽しんでいる

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森田 章さん(73歳)/埼玉県/最近ハマっていること:孫が大学のアメフトの試合に出ているのでルールを覚えライブ中継で楽しんでいる

 幼い頃の私の夢は漫画家になる事でした。

 もし漫画家になれなければ絵にかかわる仕事に就きたいと思っていました。小学校を卒業する時、町内会子供会の送別会があり一人ずつ将来の夢を聞かれ「僕は漫画家になりたいです。」と発表しました。

 その当時、今ほど画材は自由に買えなかったのですが小学校に入学する前から白い紙があれば絵を描いていたような気がします。

 中学生になると墨や霧吹きを使ったり色紙を切って貼り合わせたりいろいろ工夫して作品を創作しました。

 高校を卒業すると諸事情から金融関係の仕事に就きました。この間も絵を描くことは諦めず続けましたがこの頃から切り絵の魅力にもはまり新しいジャンルとして挑戦しました。

 退職間際に一生関わりたくないと思っていた苦手のパソコンを一人一台あてがわれ研修を受けてなんとか日常の業務をこなせるようになりましたがこのパソコンとの出会いが退職後の人生に大きく影響を与えました。

 六十歳で退職し、たまたま見ていたテレビでパソコンを使って絵を描くグループの人達の番組が放映されていましたがその絵の出来栄えに感動し自分でもやってみたいと言う衝動にかられました。

 思い込んだらいてもたってもいられず早速近くの家電量販店でパソコンを購入しソフトを紹介してもらって勉強を始めました。絵を描く機能は比較的簡単に習得出来たので次のステップとしてマニアルを見ながらグラフィックデザインの勉強を独学と言うより自己流と言った方が相応しいくらい見よう見まねで始めました。

 購入したソフトのある機能で何度挑戦してもうまく出来ないトラブルに突き当たり家電量販店のソフトに詳しい人に聞き直接ソフトのメーカーにも照会して説明通り何度かチャレンジしましたがうまくいかず二週間ほど勉強が滞った時は挫折しかけました。

 ところがある日突然、ソフトにミスがあったので新しいソフトでやり直してくださいとメーカーから新しいCDが郵送されてきました。

 結局ソフトのミスと判明したのですがあの苦労した二週間は何だったのかと思うと今でも悔しい思いがあります。

 多くの苦難を乗り越えグラフィックデザインを自己流で習得しコンテストに応募していくつかの賞をいただくまでになりました。

 デザインの受賞にはさらに創作意欲をかきたてられジャンルを広げてデジタルカメラの画像処理、切り絵と和紙をスキャナーで読み込んでパソコンで処理しデジタル作品といえども和紙の趣を感じる作品を創作するなどの工夫を重ねました。

 大阪で開催された写真のコンテストの表彰式では娘の家族が駆けつけて表彰を祝ってくれ、娘夫婦からも私の努力に対して表彰状を授与してくれてこれほど嬉しかった事はありませんでした。この時は恥ずかしながら男泣きをしてしまいました。

 今ではジャンルを広げ、キャッチコピー、川柳、短歌、絵手紙、作詩などで入賞を果たし一層創作意欲をかきたてられているところです。

 これからも日々前向きに努力し自分の新しい面を発見しながら挑戦していきます。

 

(作文の一部に編集室が文字の修正、タイトル付けなどをしています)

学びと私コンテスト

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