気づき

11月の一次審査通過作文/「学びと私」作文コンテスト

あやかさん(26歳)/埼玉県/最近ハマっていること:箏

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あやかさん(26歳)/埼玉県/最近ハマっていること:箏

 私は大学を卒業してから塾に就職し、塾の先生になった。その塾では二科目以上教えなければいけなかったので、私は中学生の「英語」と「社会」を教えることにした。英語は大学でも学んでいたから問題なかったが、予期せず社会に手こずった。センター試験の世界史では満点を取ったほど、高校生までは社会の成績が良かったのだが、いざ教えようと支給された問題集を見ると、大学4年間ほとんど社会の勉強をしてこなかったので、「これ、なんだっけ?」と考え出す始末だった。生徒に教えなくてはいけないのに、これはまずいと思い、私は中学社会の勉強を1から始めることにした。
 まず始めに、教科書を覚えるのがいいだろうと教科書を読みだしたが、5ページくらいで眠くなってしまう。毎日少しずつでも、と頑張って読むのだが、あまり頭に入らないし、やはり眠い。
 そんなある時、タイトルは忘れてしまったがふと歴史関係の映画を見た私は、あることに気付かされた。歴史上の人たちって、私たちと同じ、生きていた人間なんだ。そんな当たり前のことに、その時初めて気がついた。高校生までの勉強が、いかに暗記に基づいていたか、ということにも気がついた。歴史は「織田信長 鉄砲 長篠の戦い 本能寺の変」というような暗記をする学問ではない。「織田信長はどのような人物だったのか?」「なぜ鉄砲に目をつけたのか?」「なぜ長篠の戦いに勝利できたのか?」「なぜ本能寺の変が起こったのか?」そんなことを追求していくことが、歴史ではないか。また、そこに歴史の面白みもあるのではないか。私は織田信長が生身の人間だったことすら、本当には気づいていなかったのかもしれない。私たちと同じ人間なのだから、考え、行動し、反省し、怒り…そんな歴史上の人物の人間像を、今まで考えたこともなかった。
 そんなことがあってから、私は教科書ではなく、小説や映画などを学び直しの材料にするようになった。小説や映画の教科書にはない特徴は、「虚構が含まれている」ということもあるが、「人間くささ」が描かれていることだと思う。その「人間くささ」を知ることが、歴史を学ぶ面白さだとも思う。それぞれの人物同士の関わり合いを知り、歴史の流れに身を任せれば、「暗記」なんかしなくても、どうしてこういうことが起こったのか「覚えられる」のではなく「理解できる」。中学生の時に確かに習ったことなのだが、当時必死に暗記したことを、今学び直したことでより深みのある知識が得られたと思う。
 すべての学問がそうだろうが、学ぶことに終わりはない。今私は、半ば必要に迫られて歴史の学び直しを始めたばかりだが、歴史の学び直しを続けるのはもちろん、地理や公民分野も学び直しをしていきたい。きっと、中学生の頃には気づかなかった面白みを見つけ、深みのある学び直しができることだろうと思う。

学びと私コンテスト

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