本を見ながらの手芸

9月の一次審査通過作文/「学びと私」作文コンテスト

川口聡美さん(53歳)/岡山県/最近ハマっていること:五歳の姪との文通

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川口聡美さん(53歳)/岡山県/最近ハマっていること:五歳の姪との文通

 私の趣味は手芸である。家庭科でスカートの作り方や刺しゅうを習い、若い頃、働いていた時、NHKのテキストを見てはお人形を作ったりしていた。

 今は五十三歳である。手芸の趣味が再開したのは、病気が重く、大阪で保護してもらい、二十年ぐらい通っている、地元の精神科に二ヶ月入院した時だ。作業療法に刺し子があった。平日の午後一時間半が作業療法の時間だった。わたしは毎日それを楽しみにしていた。

 編み物にも興味を持って、通販のカタログを見て、病院に届けてもらったが、わたしには出来なかった。誰にでも出来ると書いてあるのに出来ないとフリーダイヤルで言うと、運良く着払いで返金できた。刺し子は針を使うので、作業療法の時間だけだった。

 退院してからはアマゾンで手芸の雑誌や書籍を購入している。眺めるだけでも楽しいが、実際作るとなるとハードルが高い。

 バッグやポーチを作ってみたが、売り物には出来ない。上手な人は自分で考えてネットで販売していることを知った。そこまでの技術はわたしには無い。ミシンも持っていない。

 フランス刺しゅうも色々な刺し方があることを知った。青木和子さんや斉藤謠子さんの一部の作品が好きだ。青木和子さんのキットで教えてもらわなかったら、リボンでバラの刺しゅうが出来ることも知らなかっただろう。

 額は百均で売っている。有り難いことだ。百円ではわたしには額は作れない。斉藤謠子さんのバッグも、去年の十二月に買ったものが途中で止まっている。難しいのである。いっそのこと捨ててしまおうかと思うが、頑張って仕上げようと思っている。いつ仕上がるかはわからないが。

 実家に同居している母の趣味はレース編みだ。おつかいものに、しているらしい。わたしは、刺しゅうは誰にもあげようとは思わない。手間暇かかっているからだ。飾っておくだけで満足している。

 刺しゅうは奥深い。本の広告でハーダンガー刺しゅうを知った。こんなに芸の細かいことは、わたしには出来ない。繊細な白いコースターの作れるキットが付録に付いている雑誌もあったが、恐れ多く買わなかった。

 雑誌には読者投稿欄がある。応募していたら、粗品が幾つか送られてきた。布や刺しゅう糸などである。難しそうなのでヤフオクで売ろうかとも思ったが、これも頑張って何かを作ろうと思っている。良い楽しみが出来た。

(作文の一部に編集室が文字の修正などをしています)

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