大学で知識という3D眼鏡を手に入れる

【Interview】上智大学公開学習センター長 柴野京子先生

「勉強はしたいけど、この年でいまさら……」と思ってしまうこともある。だが、「学ぶことに年齢は関係ないんですよ」と語るのは、上智大学公開学習センターのセンター長・柴野京子先生。実は柴野先生自身も、一般企業に勤務した後、40代で大学院に進学し、現在は研究者として活躍しているという経歴の持ち主だ。そんな柴野先生に、上智大学の生涯学習について聞いた。

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上智大学公開学習センター長・柴野京子先生

上智大学公開学習センター長・柴野京子先生 『クルトゥルハイム(文化の家)』にて

「勉強はしたいけど、この年でいまさら……」と思ってしまうこともある。だが、「学ぶことに年齢は関係ないんですよ」と語るのは、上智大学公開学習センターのセンター長・柴野京子先生。実は柴野先生自身も、一般企業に勤務した後、40代で大学院に進学し、現在は研究者として活躍しているという経歴の持ち主だ。そんな柴野先生に、上智大学の生涯学習について聞いた。

100年以上の伝統を持つ、上智大学の公開学習センター

1913年に創設された上智大学。その社会人向け生涯教育講座であるソフィア・コミュニティ・カレッジ創設のルーツも、同じく1913年まで遡る。

「上智大学におけるソフィア・コミュニティ・カレッジの開設は、正式には1976年だと言われていますが、実は1913年の大学創立時ごろから、すでに夜間学校として英語やドイツ語の語学講座が行われていたのです。現在でも、学内には『クルトゥルハイム(文化の家)』と呼ばれる建物があるのですが、初期の頃はこのなかで、大学で教鞭をとるイエズス会の神父たちが一般市民に向けて、語学講座を開講していたそうです」と語るのは、同大学公開学習センターのセンター長・柴野京子先生。

創設当時から「フルタイムの学生だけではなく、地域社会にもその知識を還元しよう」との想いから、一般人向けにも大学の知の開放を目指していたという。

第二次世界大戦終了直後の1946年には、語学講座のほかにも文学や哲学などの教養文化講座や、極東裁判、日本の戦後処理などの重要な任務にあたった内外の要人による講座が行われるようになった。

「上智大学は、学問を通じて、思想の多様性を認め、学問の発展のために、『共同体における洞察力と批判精神を養っていく』ことを理想としています。そのため、本学の講座で意識しているのは、『勉学を通じて、社会に対する問題意識を持ってもらうこと』。

たとえば、昨年度はアメリカ大統領選挙についての講座、今年度にはボブ・ディランを扱った講座を設けるなど、教養としてだけではなく、『一見、他人事に見える社会的事象が自分たちの人生にどうリンクしてくるのか』といった問題提起ができる講座を用意しています」(柴野先生、以下「」内、同)

「ブラジルで話されている」と「ポルトガルで話されている」

上智大学の公開講座は大きく分けると語学講座と教養・実務講座に分けられる。

「語学に関しては、外国語学部を有していることもあり、英語関係の講座はもちろん、ドイツ語、フランス語、ロシア語……など、幅広い言語を用意しています。また、ポルトガル語などは『ブラジルで話されているポルトガル語』と『ポルトガルで話されているポルトガル語』の両方を開講するなど大学の特色を出しています」

さすがに国際性の高さで有名な上智大学。実際に、キャンパス内を歩いていても、日本語以外の外国語が飛び交い、まるで外国の大学キャンパスにいるような感覚になる。

「一方、教養・実務講座の特徴のひとつは、『キリスト教に関する講座を毎学期設けている』という点です。夏には宗教科の免許に必要な単位が取得できる集中講座や一般の方を対象とした講習会を含む神学講座も開講しています。上智大学はご存知の通り、創立以来、キリスト教の精神に基づいた教育指導を行っているので、単なる教養としてではなく、現在の社会においてキリスト教が社会に与えている影響やキリスト教にまつわる文化などを多角的な視点で読み解くという講座を充実させています」

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