14年事務の仕事していた会社が、急に閉鎖される事になった。特に数か月前から、何となくヤバいかもという予兆はあった気がする。でも『あと何年かは、ここで勤める事できるんだろ』と、ほんのり希望もちつつ過ごしていた。
実際、14年勤めた事務のお仕事を、今の年齢で、新天地を見つけるのは厳しいかなとも思っていたから。でも、あっけなく、私の会社勤めが終了した。
今まで、会社勤めと並行して、企業のコラムや県広報のライターなど文章を書く仕事も10年以上続けていた。文章を書く仕事の収入は不定期な為、会社勤めがメインとなっていた。
『また、一から始めなきゃ』『切替えて、先に進まなきゃ』と思うけど、
『これから、どう進めていこうか』『学び直そうか』と、私の頭の中は、かなりテンぱっていて、もがいていたと思う。
ある日、リビングを掃除していた時、かやの木の将棋盤が目に入った。そして、ふと浮かんだ場面があった。
私の息子達は、小学生の頃からアマチュアで将棋を指している。長男クンが高校生の時、高校将棋の全国大会の県代表となった。全国大会後、彼を駅まで迎えに行った車の中。彼が決勝トーナメント・ベスト8かかった対局の相手が高校全国一2連覇かかった相手だったと聞いた。
『う~ん、対戦者がね・・残念だったね。』
と私が言うと、
『でも、なかなか指せない相手なんだよ。胸を借りるつもりで指したんだ。』
負けた対局で、それも人一倍負けず嫌いな長男クンのその言葉を聞いて私は、びっくりした。
将棋の対局で、負けて悔しくて、1時間半電車・地下鉄の中、帰り道で泣いていた彼が、きっと悔しさもあるけれど『胸を借りるつもりで』そう言った事。そんな場面が、何年か経って、私の頭に浮かんできたのだ。
私自身、だんだんと、年齢を重ねてくると、新しい事や変化し続ける事に対し煩わしくなったり、体力的に『ついていけないわ~』と逃げてしまう傾向は否めない。
難しい事から逃げている事も十分認識しているけど、あと半歩が出ない。じゃあ、私はどうするのかと考えたら『胸を借りるつもりで』挑戦してみた。約1年、好きなイラストやエッセイなど、色々応募した。論評されない事も多々あったけど。時々『こういう表現もあるかも』とか『場面がよく描かれてる』と論評される機会があった。色々応募して、論評して頂くうちに、何となく自分のやっていく方向とか、こういう感じが自分が向いているんでは?というヒントのようなものが、見えてきたように思う。
もちろん、応募先等の求めているものに当てはまるかどうかは大切だと思う。
ただ『胸を借りるつもりで』応募して論評して頂けた時、自分では判らなかったポイントやクセが分かった事は、大切な私の学びの再出発だと思う。
何度でも何度でも
11月の一次審査通過作文/「学びと私」作文コンテスト
うすた~さん(52歳)/岐阜県/最近ハマっていること:マンガ・ハイキュー!!
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