京都のあの超有名社寺の知られざる歴史

歴史文化都市の防災と建築史学@立命館土曜講座

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清水寺の伽藍再整備計画(明治33年)

清水寺の伽藍再整備計画(明治33年)

防火用の溜池をつくるからと子安塔を移築

たとえば「苔寺」の通称名で知られる西芳寺。「山林の優美なることは古来世人の賞賛するところに御座候なり」という風景美の理由で、境内地が返還されている。

たとえば、京都の名所、清水寺。清水寺による境内編入願いは手が込んでいた。

本堂の裏、現在地主神社があるところに防火用の溜池を作りたい、だから地主神社を門前に移築する、当時門前にあった子安塔は、本堂の向かい側の山手に移築する。そして、子安塔の周囲に新しい伽藍を整備したい……

なんて壮大な計画! でも結局、この部分の溜池の建設は認められなかった。だから地主神社は今もあの場所にある。でもなぜか、子安塔だけは移築される運びとなったのだそうだ。

ところで、清水寺があえて「防火用の溜池」の建設を申請したのには理由があった。

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