“添い遂げ不倫”に必要な3つの条件
杉山先生をしてうならせる、この“添い遂げ不倫”。成立するには3つの条件があるという。
「ひとつは、会いたいけど会えない時間が長いという『欲求の固着』が生じていること。長い間手に入らなかった何かというのは、これが欲しくて欲しくてたまらないんだというマインドまで固着させてしまいます。手に入らないというその時の悔しい思いが忘れられず、もういらなくなっているにも関わらず、いつまでも欲しいという癒着が起こるということです。
もうひとつは、会えるチャンスがあれば会うという『行動パターンが定着』していること。貞奴さんと桃介さんは結婚する前は、書生さんと芸者さんの見習いという立場で、みんなから反対されて会ってはいけない関係でしたが、それでもいろいろな人の目を盗んで会っていました。なので、会えるチャンスがあれば会うという行動パターンがふたりの間で確立されていたわけです。だから、会えないという障害がなくなったら、当たり前に会うわけです。
そしてもうひとつ。これは身も蓋もありませんが、『経済力と社会的地位』があること。とくに桃介さんは、当時とは違う高い社会的地位と圧倒的な経済力があるので、貞奴さんとの関係が明るみになったとて、立場が悪くなったり何かを失う心配はありませんでした。
もしこのどれかひとつでも欠けていたら、ふたりの関係は成立しなかったと思います。ただし、このふたりの関係は桃介さんの奥さんがそうだったように、不幸になる人が出てしまった。誰かが不幸になる不倫はよくないと個人的には思います」
◆取材講座:メンタルヘルス・マネジメント講座「大人の人間関係論」vol.5「不倫の境界線」(神奈川大学みなとみらいエクステンションセンター/KUポートスクエア)
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取材/辻本幸路 文/まなナビ編集室 写真/(c)beeboys/fotolia