デイサービスに行かないと言い張る姑を説得するには

介護100番

毎日の介護、大変ですよね。介護コミュニティサイト「介護100番」には数多くの介護の悩みとアドバイスが寄せられます。その中から、家族の介護に参考になりそうなものをご紹介します。今日は、「お金を盗られた」と頻繁に言うお姑さんと同居しているお嫁さんから、お姑さんをデイサービスに行かせて少しでも自分の時間を作りたいのだが、絶対行かないというお姑さんをどのように説得したらよいか、との相談です。

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毎日の介護、大変ですよね。介護コミュニティサイト「介護100番」には数多くの介護の悩みとアドバイスが寄せられます。その中から、家族の介護に参考になりそうなものをご紹介します。今日は、「お金を盗られた」と頻繁に言うお姑さんと同居しているお嫁さんから、お姑さんをデイサービスに行かせて少しでも自分の時間を作りたいのだが、絶対行かないというお姑さんをどのように説得したらよいか、との相談です。

「毎日のように盗人呼ばわりされて……」

相談者さんは、自分を盗人呼ばわりする同居のお姑さんとの関係に悩み、週1日でもいいからデイサービスに通ってもらいたいのに、どうしても行ってもらえない、との悩みを抱えています。

姑は76歳。要介護1です。数か月前から、『お金がない!通帳を盗られた!』と頻繁に言うようになりました。

お金も通帳も、盗んだ犯人はいつも嫁である私です。それに加えて、私が友達と旅行などで家を空けると、主人に必ず『嫁が浮気してる!おまえ騙されているんやで』と言っているようです。

最近は毎日のように、『お金がない!通帳を盗られた!』と騒ぐため、連日、姑の部屋の大掃除をしています。

ケアマネージャーさんに相談すると、デイサービスの利用を勧められ、下見もしました。しかし姑は『自分はまだまだ若い』と言い張り、『行く』と言ってくれません。

毎日盗人呼ばわりされる毎日に、もういっぱいいっぱいになってしまいました。週に1日でもデイサービスを利用してくれればその間だけでも心が安らぐのに……。

いったいどのように説得したらよいのでしょうか

「新たな環境に入っていくのが怖いのかも」

90歳の認知症の義理のお父様を持つ方からのアドバイスです。

「うちの義父も数年間、どんなに説得してもどうしてもデイサービスに行ってくれませんでした。義父の場合は、ずっと家にいて、家族以外の人との接触がなかったので、新たな環境に入っていく勇気がなかったことが、最大の原因だったと思います。

生活を変えるきっかけが、訪問看護でした。週に1回の訪問看護を受けるようになって、お若い看護師さんとのやり取りで心が前向きになったんでしょう、看護師さんから『デイサービスでいろんなゲームや体操をすると、楽しくて元気になりますよ』と言われて、行く気になったようです。

家族、とくに嫁がデイサービスを勧めると、厄介払いしたくて言っているように受け止められてしまいがちですが、信頼する看護師さんから言われると、すんなり受け入れてくれることもあるようです。

あと、お金に関する話題はすべて主人に任せています。『通帳がなくなった!』と言われても、『私はわからないから、パパが帰ってきてから聞いてみて』と言って、義父の部屋にも入らず、通帳探しも手伝いませんでした。

どんなにお世話しても、『息子はかわいいが、嫁は悪者』の構図は変わらないので、最初から『私は他人ですよ』アピールをしています」

「お手伝い気分で行ってみたらどうかな?」

実のお父様と同居して介護している方からのアドバイスです。

「うちの父は実の娘の私を敵視しているので、ケアマネージャーさんと事前打ち合わせを行いました。

父は外面がよいので、その性格をうまく利用する方法を考えました。

同じ程度の介護度の人がいる曜日に、デイサービスの一日見学を設定し、『いろいろ大変な人がいるから、お手伝い気分で行ったらどうかな』などと薦めてもらいました。また、下見の際にはとにかく父親をほめちぎってもらいました。

行き始めてしまえば、結構楽しいらしく、今は前日からカバンを用意しているくらいですよ。デイサービスに行った日は機嫌がいいので、何か話さなければならないことがある時はその日に話すようにしています。

もちろん今でもデイサービスについて文句はいろいろ言っていますが、休まずに行くし、何か用事が入りそうになると、デイサービスの日以外にしてくれと言いますので、楽しんでいるのだと思います」

「必要とされているという感覚をもってもらう」

同じようなことを別の方もアドバイス。

「うちの76歳の母も最初は完全拒否で、『そんなとこ行くくらいなら、死んだほうがマシや!』と言い切りハンガーストライキをするありさまでした。

何とか説得して契約しても、お迎え当日にはベッドで背を向けてふて寝する、そんな感じでした。しかし私もフルタイムで働いていますから、デイサービスに行かないという選択肢はなかったんです。

そこで最初の数回は私が送り迎えし、かつデイサービスで数時間一緒に過ごしました。また、帰りには2人で喫茶店に入って、今日デイサービスでどんなことをしたのかを聞くことにしました。

母はとても世話好きなのですが、スタッフの方もそれを見抜いて、膨大なタオルを畳むという仕事を作って母にやらせてくれました。

その結果、『私が行かないと、みんなが困るからね』と言うようになり、最終的には週6日通うようになりました。

誰でも新しい環境に入るのは不安だと思います。楽しいところで、しかも必要とされている、そういう感覚を持ってもらうと、受け入れやすいかなと思います。

一人で悩まないでケアマネージャーやデイサービスの人にも相談してみてくださいね」

◆今日の用語「デイサービス」とは?

要支援者や要介護者が送迎付きで「デイサービスセンター」などへ通い、入浴、排泄、食事などの介護、機能訓練を行う「日帰りの介護サービス」です。

ふつうは朝9時頃から午後5時頃まで、昼食をはさんで入浴やさまざまなレクリエーションなどをして過ごしますが、半日のいというケースもあります。

また理学療法士や介護職員による機能回復訓練や、管理栄養士による栄養改善、言語聴覚士や歯科衛生士による口腔清掃や嚥下機能訓練などのサービスも、別途加算で利用できます。

費用は市町村や施設などで異なりますので、ケアマネージャーに相談しましょう。

*以上は、介護110番の「なんでも相談室」の相談スレッドを書籍化した『母がおカネを隠します。』に掲載された実際の相談事例です。

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