最近怒りっぽくなった。それ「軽度認知障害」かも

認知症、ならないために〜MCI:MCIとは何か編_5〜

Q 認知症の人は怒りっぽくなると言われますが、その理由として考えられるものは?

A 感情をコントロールする脳の機能が低下するため
B 寿命が延び、高齢でも体力的に元気な認知症の人が増えているため
C もともと怒りっぽい人が認知症になる傾向が強いため

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Q 認知症の人は怒りっぽくなると言われますが、その理由として考えられるものは?

A 感情をコントロールする脳の機能が低下するため
B 寿命が延び、高齢でも体力的に元気な認知症の人が増えているため
C もともと怒りっぽい人が認知症になる傾向が強いため

最近「キレる老人が増えている」というニュースをよく耳にします。ちょっとしたことで激怒する、大声を上げて相手を威嚇する、過大な要求をする……。

昔は「歳を取ると人間が丸くなる」などと言われたものですが、それは人生五十年時代の話のようです。現代では50歳はもちろん60代でも70代でも元気、エネルギーいっぱいで仕事をつづける人も増えていますし、経済的な理由で働きつづけなければならない高齢者も増えています。昔なら「隠居」していた年齢に、それなりにストレスのかかる仕事をしている。そんな時代にあって「歳を取ると人間が丸くなる」どころか、余裕を失いむしろ怒りっぽくなる人も増えているのかもしれません。

質問の認知症の怒りっぽさの理由ですが、これは脳の機能低下が影響しています。感情をコントロールする脳の機能が低下していることから、自分の感情を抑えられなくなるのです。答えはAです。

認知症、ならないために

アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症では猜疑心が強くなり、人が信じられなくなる傾向も見られます。ちょっと自分の思い通りになっていないと「ダマされた」と感じ、たとえば財布が見当たらないと「盗まれた」と思い、家族など身近な人を疑ったりします。また家族が集まって話をしていると「仲間はずれにされた」と思い込んで怒るというケースもあります。

逆に、こうした怒りっぽさはMCI(軽度認知障害)のバロメーターととらえることができます。最近、怒りっぽくなった、イライラすることが増えたとしたらMCIの兆候、かもしれません。MCIの段階で適切な対応をとれば、認知症への進行を防ぐことができます。自分のふだんの「怒りっぽさ」を振り返ってみるのも認知症予防につながりますよ。

認知機能の低下が見られるものの病的ではない、グレーゾーンの状態であるMCI。認知症は防げないといわれてきましたが、MCIの段階で正しく対処すれば、認知症へ進行するのを防げる可能性があります。

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■監修■朝田隆(東京医科歯科大学脳統合機能研究センター認知症研究部門特任教授/メモリークリニックお茶の水理事長)
あさだ・たかし 1955年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。同大学神経科精神科、山梨医科大精神神経科、国立精神神経センター武蔵野病院精神科、筑波大学精神医学教授などを経て現職。認知症の早期診断法や予防、リハビリに携わり、MCIの啓蒙活動を積極的に行っている。

文/佐藤恵菜 イラスト/みやしたゆみ

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