ウザ過ぎ! マウンテイングのターゲットになったらどう解決する?

杉山崇 神奈川大学人間科学部教授の「女子の人間関係論」その3@神奈川大学

他人を貶めることにより、自分が優越感を得る“マウンティング”。ターゲットにされたら、どう逃げればよいのか。自分の方が金持ちだ、自分の方が作法を知っている、自分の方がタワーマンションで高層階に住んでいる……。マウンティングを取ってくる人は常に優劣をつけたがる厄介な存在。神奈川大学公開講座「大人の人間関係論」で、心理学者の杉山崇先生(同大人間科学部教授)は、マウンティングのターゲットになってしまった場合の、さまざまな解決法を提示する。

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心理的に関係の距離をあける

他人を貶めることにより、自分が優越感を得る“マウンティング”。ターゲットにされたら、どう逃げればよいのか。自分の方が金持ちだ、自分の方が作法を知っている、自分の方がタワーマンションで高層階に住んでいる……。マウンティングを取ってくる人は常に優劣をつけたがる厄介な存在。神奈川大学公開講座「大人の人間関係論」で、心理学者の杉山崇先生(同大人間科学部教授)は、マウンティングのターゲットになってしまった場合の、さまざまな解決法を提示する。

ターゲットにされたらまず距離を置け

もしターゲットにされたら、どうしたらいいのだろうか。杉山先生は、相手と距離を置くことがいちばんだという。(前の記事「イライラ、陰口、マウンティング。女性部下の心理を学ぶ」「タワマン階層や弁当 この世はマウンティングだらけ」

「人の気持ちは変えられません。これからも繰り返しマウンティングをしてくることが予想されるので、関係改善は困難と思った方がいいですね。だから、その相手とは距離をおきましょう。もし付き合わなくていいのなら、付き合いをやめることをおすすめします。

それが難しければ、心理的に関係の距離をあけてください。“この人はこういう人だから”と気持ちを割り切るとか、最低限の付き合い以外は断つとか。関係性の距離をおいて、問題の重要度を下げると楽になります。

愚痴を聞いてくれる相手を見つけておくのもいいですね。マウンティングで受けた不快感を人に話して人に共感してもらうと、話を聞いてくれた人が味方になるんですよ。自分には味方がいると思うだけで、マウンティングされる不快感はかなり減ります。愚痴を聞いてくれる、味方になってくれる人を確保することが重要です」

逃げるが勝ち、というわけだ。しかし中には、言われっぱなしでは納得いかない人もいるはずだ。

「へーそうなの、すごいねー」

「あえて戦うとすれば、関心のない態度をとることですね。“へーそうなの、すごいねー”っていうくらいで終わらせてしまう。関心がない態度をとられると、相手はあまり勝った気にならないんです。 あとは、褒め殺し作戦も有効です。うっかりこちらの個人情報を出すと次のマウンティングのネタを与えることになるので、こっちの情報は一切与えず、褒めまくって、あれこれしゃべらせて、相手の個人情報をもぎ取っておくのです」

うっかり加害者になっているケースも自覚しなければいけない。

「人間は相手のことを敵と認知すると、相手にダメージを与えて殲滅することを本能的に心地よく思ってしまうようにできています。これは人間の脳の不愉快な真実と言われていますが、そういうマインドになるのは避けられないわけです。でも一方で、人間の脳はそういう感情をコントロールする機能も持っている。だから、無意識のうちにマウンティングしないよう、注意する意識を習慣にしていくことが重要です。

マウンティングは敵を増やす行為。長期的に見て何もいいことはありません。まずみなさんの周りからマウンティング・リテラシーを高めて、マウンティングのない社会を目指していきましょう」

〔今日の名言〕「マウンティングされたら——距離を置く。愚痴を聞いてくれる相手を見つけること」

〔あわせて読みたい〕
イライラ、陰口、マウンティング。女性部下の心理を学ぶ
タワマン階層や弁当 この世はマウンティングだらけ

◆取材講座:メンタルヘルス・マネジメント講座「大人の人間関係論」vol.4女性同士の人間関係(神奈川大学みなとみらいエクステンションセンター

文/まなナビ編集室 写真/(c)Monet / fotolia

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