大同生命寄付講座 中小企業経営革新セミナー『農業に関わることの重要性と企業の未来』

明治大学リバティアカデミー
駿河台キャンパス
大友純/上原征彦/TKC全国会派遣講師

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講義詳細

講義詳細
講座名
大同生命寄付講座 中小企業経営革新セミナー『農業に関わることの重要性と企業の未来』
大学
明治大学リバティアカデミー
キャンパス
駿河台キャンパス
概要
一般に“農業”という言葉でくくられる農林水産畜産業に従事する人々の業界は、「第1次産業」という表現からも理解できるように、食糧生産という国家経済の基礎を成す分野です。しかし、第2次産業を形成する工業者や第3次産業を形成する小売・サービス業者の多くが近代的効率的な企業組織形態を採用しているのに対して、第1次産業の従事者の多くは、その大部分が圧倒的に非近代的な事業主体として「農家」や「漁師」、「林業家」、「牧畜業者」といった“経営組織体”という概念からはほど遠い「家族従事型生産組織体」としてイメージされてきました。 それは言うまでもなく、一般的に見てもビジネス組織として認識される第2次・第3次産業の事業体と比較した時、組織体としての生産力や情報収集分析力を持ち得ようもない「家族」という事業形態そのものの“弱み”の結果として、第2・第3次産業の利益のために手段化されてきた事実に顕著に現れているのではないでしょうか。たとえば、わが国の1960年代70年代の未曽有の経済成長を支えた若年労働者の多くが第1次産業から吸い出されて都市部の第2・第3次産業に従事した主役そのものであったことや、また一方では、農機具や乗用車、家電製品、衣料繊維品等々、第2次産業が造り出した製品の需要市場として、あるいは大規模小売業者への立地提供だけでなく、販売市場としての役割を果たしながら、それら産業に対する膨大な利益を提供したという事実によって理解できるのではないでしょうか。このような事態の進展の結果として、第1次産業のための利用地やその従事者などの極端な減少だけでなく、現代のわが国の食糧自給率の低さ、あるいは森林管理の杜撰さによる治水環境の悪化やスギ花粉症の蔓延、水産資源の枯渇や安全な畜肉供給への不審といった、私たちの日常生活の基本である食糧環境における大きな不安材料を惹起する原因ともなっています。 こうした現状の課題を克服していくためには、何よりも第1次産業従事者の経済的な安定化や活性化、そのための魅力的な事業形態の創造こそが不可欠となるのではないでしょうか。実はそのための中核を担うべき存在こそが第2次・第3次産業企業なのであり、農業分野との積極的な関係性の創造の中に、すなわち新たな利益創造のための協働的事業対象としての関わり方こそが重要となるのです。これまでのような単なる利益収奪対象としての第1次産業ではなく、また個々の農家単位での対策や農業協同組合制度の改善と言ったものではなく、まったく新しい関係図式によって、第2次産業や第3次産業の技術や知恵をいかに第1次産業に注ぎながら互いの活性化を図るか、というところにこそ新たな資源としての国内農業の存在意義が見いだされるのではないかと思います。すでに日本各地で、特に小回りの利く電子部品業界や設備機器関連業界などの中小企業の多くが、農業分野への積極的な参加とその成果を次々と出してきています。そこでは、“グローバル賛歌”の掛け声に踊らされた挙句に、為替変動などの個々の企業努力の及ばない海外市場での政治的経済的な動きに右往左往するのではなく、自らの努力の報われやすい対象としての第1次産業との関わりによる新たな価値が見いだされるのではないかと思います。 今回の講座では、第1次産業の活性化こそが国の経済基盤強化のための基本であるとの認識に立ちながら、第2・第3次産業の諸企業がどのようにそこに関わっていくべきなのかについて考えていきたいと思います。特に今回講師としてお招きする上原征彦氏は商業・流通・マーケティング分野におけるわが国を代表する学者であるだけでなく、国の農林行政や流通問題に深く関わっており、今回のテーマにおいても農業分野における現状と課題、そして工業や商業、サービス業に関わる種々の企業の新たな戦略創造のためのヒントをいただけるものと期待しております。(大友)
会員価格
3,000円
一般価格
3,000円
講座期間
2017/12/9~2017/12/9
開講時間
13:00~16:40
曜日
講座回数
3回
定員
100人
講師名
大友純/上原征彦/TKC全国会派遣講師
講師概要
大友純(オオトモジュン)明治大学商学部教授明治大学大学院商学研究科博士後期課程退学。専門はマーケティング戦略論、広告論。食品・化学・自動車・機械メーカーや小売店等の大手企業で経営実務・マーケティング戦略の研修指導を数多く手がける他、中小企業経営、地域商業活性化に関する指導も続けている。明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科兼担教授。
上原征彦(ウエハラユキヒコ)元明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科教授昭和女子大学現代ビジネス研究所特命教授。1968年東京大学経済学部卒業。日本勧業銀行、財団法人流通経済研究所、明治学院大学教授、明治大学専門職大学院教授を経て現職。この間、ペンシルベニア大学ウォートン校の客員教授として取引慣行の日米比較研究を行った。2002年より財団法人流通経済研究所理事、2010年~2015年理事長。著書:『経営戦略とマーケティングの新展開』(誠文堂新光社)、『マーケティング戦略論』(有斐閣)など多数。
TKC全国会派遣講師(ティーケーシーゼンコクカイハケンコウシ)
住所
東京都千代田区神田駿河台1-1
アクセス
JR中央線・総武線「御茶ノ水」駅御茶ノ水橋口より徒歩3分/東京メトロ丸の内線「御茶ノ水」駅2番出口より徒歩3分/東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅B1出口より徒歩5分/都営地下鉄三田線・新宿線・東京メトロ半蔵門線「神保町」駅A5出口より徒歩5分/都営地下鉄新宿線「小川町」駅B3出口より徒歩5分
申込

日時の変更もありますので、開講情報は必ずこのページの大学HPからご確認ください。

この情報は大学の許可をとっています。

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