1918年、最強のドイツ軍はなぜ敗れたのか?
早稲田大学エクステンションセンター
中野校
飯倉章(城西国際大学教授)
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講座名
1918年、最強のドイツ軍はなぜ敗れたのか?
概要
第一次世界大戦の最後の年、1918年、その当初には最強と目され、3月のミヒャエル攻勢で敵の塹壕を突破し戦術的に「大成功」を収めたドイツ軍は、なぜ一年も経ずに敗れることになったのか。物量・兵員数で劣る分、戦術を柔軟に変えて優位を保ち続けたドイツ軍に何が起きたのか。最高司令部はどう対処したのか。革命や銃後の裏切りを強調する歴史観の陰に隠れ、必ずしも明らかにされてこなかったドイツ軍の実相を追い、ドイツ軍とドイツの敗北の真相に迫る。合わせて、今日まで続くドイツというシステムの強みと弱点について考えてみたい。ドイツ帝国は1871年に、プロイセンが中心となってドイツ諸邦をまとめて誕生した。このプロイセンによるドイツ統一過程では、国王、首相、陸軍参謀総長の3者による国家指導のシステムが発展・確立し、ドイツ帝国に引き継がれた。第1では、この伝統的なリーダーシップの三角構造(皇帝・宰相・参謀総長)が、第一次世界大戦時にどのように変容したかを示し、1916年より事実上の戦争指導者となった第一兵站総監ルーデンドルフの指揮の下で、ドイツがどのように1918年春の大攻勢を決定したのかを明らかにする。次いで第2では、1918年の春季大攻勢に向けて、ドイツ軍がいかに周到に準備したか、ドイツというシステムの強みとともに理解する。その上で、3月のミヒャエル攻勢がどのように展開し、ドイツの戦術的な勝利とそこに胚胎した戦略的な敗北の芽について考察する。最終では、ミヒャエル攻勢後の軍事的な展開を追いながら、ドイツ軍が最終的に軍事的敗北に至った要因について考察し、ドイツというシステムの強みと弱点について今日的な視点も踏まえて吟味する。
講座期間
2018/02/06~2018/02/27
講師概要
飯倉章
城西国際大学教授
1956年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、修士(国際関係学、国際大学)、博士(学術、聖学院大学)。専門は国際関係史で、日露戦争、第一次世界大戦、黄禍論、諷刺画などを研究。著書に『第一次世界大戦史』(中央公論新社)、『黄禍論と日本人』(中央公論新社)、『日露戦争諷刺画大全』(芙蓉書房出版)など。
住所
東京都中野区中野4-22-3 早稲田大学中野国際コミュニティプラザ1階
アクセス
JR中央・総武線・東京メトロ東西線「中野駅」下車北口より徒歩10分/関東バス「東京警察病院北門前」より徒歩1分 【中01】【大02】【宿04】【宿05】【宿07】【阿45】系統/
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