右大臣藤原実資の王朝時代
神奈川大学みなとみらいエクステンションセンター
KUポートスクエア
繁田信一
-日本文化, 講義詳細
-KUポートスクエア, 神奈川大学みなとみらいエクステンションセンター, 繁田信一(神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員、神奈川大学外国語学部講師), 講義詳細
大学
神奈川大学みなとみらいエクステンションセンター
概要
あの華麗で愉快な『枕草子』の世界は、藤原定子(さだこ)が一条(いちじょう)天皇の後宮(こうきゅう)に入ることによってはじまります。定子は、まずは登花殿女御(とうかでんのにょうご)として、やがて中宮(ちゅうぐう)として、一条天皇の後宮に華やかさと楽しさとをもたらすのです。ところが、『枕草子』には、定子の後宮生活の最初の丸三ヶ年ほどのことが描かれていません。というのは、実は、清少納言が定子に仕えるようになるのが、定子の後宮生活が四年目に入ってからだったからです。つまり、あれほど定子を敬愛していた清少納言も、定子の後宮生活の初期を、直接には知らないのです。これに対して、その頃、定子の父親である藤原道隆(みちたか)の政権の要人であった藤原実資(さねすけ)は、定子を中心とする一条天皇の後宮の動向を詳しく知る立場にありました。それゆえ、その実資の日記である『小右記』には、まだ女御であった頃の定子のことや、定子が中宮になることによって生じた軋轢など、清少納言も知らない定子の後宮生活をめぐる情報が数多く見られます。この講座では、藤原定子が入内する前後や彼女が中宮となる前後を含めて、清少納言が中宮定子の女房となる少し前の貴族社会の様子や宮中の様子を、藤原実資の『小右記』から再現してみたいと思います。
講座期間
2017/9/28~2017/12/14
講師概要
神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員、神奈川大学外国語学部講師・1968 年東京都生まれ。1991 年東北大学卒業。1993 年東北大学大学院修了。修士(文学)。2003 年神奈川大学大学院修了。博士(歴史民俗資料学)。著書に『天皇たちの孤独』『殴り合う貴族たち』『御堂関白記藤原道長の日記』『御曹司たちの王朝時代』『庶民たちの平安京』(以上、角川学芸出版)、『王朝貴族の悪だくみ』(柏書房)、『かぐや姫の結婚』(PHP 研究所)、『紫式部の父親たち』(笠間書院)、『王朝貴族のおまじない』(ビイング・ネット・プレス)、『陰陽師』(中央公論新社)、『陰陽師と貴族社会』『平安貴族と陰陽師』『呪いの都 平安京』『安倍晴明』(以上、吉川弘文館)など。
住所
神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-1 クイーンズタワーA14階
アクセス
横浜高速鉄道みなとみらい線(東急東横線直通)「みなとみらい」駅より徒歩2分/JR根岸線・市営地下鉄「桜木町」駅より徒歩7分
日時の変更もありますので、開講情報は必ずこのページの大学HPからご確認ください。
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