日本中世史講義―鎌倉時代を考える
早稲田大学エクステンションセンター
中野校
本郷和人(東京大学教授)
-日本文化, 講義詳細
-中野校, 早稲田大学エクステンションセンター, 本郷和人(東京大学教授), 講義詳細
概要
第1「保元・平治の乱と平家政権」長きにわたって貴族に仕えていた武士は、自らが持つ「軍事力」の価値を認識し始め、やがて平清盛の主導のもとで初めての軍事政権を作ります。第2「源平の戦い」学術用語では「治承・寿永の内乱」とよぶ大乱は、どう理解すべきでしょうか。単純な「源氏と平家の戦い」の図式を乗り越えてみましょう。第3「武士政権の成立」武士とはどういう存在であったのか。彼らは何を期待して源頼朝とのあいだに主従の関係を築いたのか。将軍とは何なのか。それらの疑問に簡潔な応答を用意します。第4「法然出現のインパクト」南無阿弥陀仏と唱えただけで極楽に往生できる。この簡単な教えはどうして民衆に浸透していったのか。従来の仏教と比較して検討します。第5「歴史理論の再認識」歴史学はこの時期の国家のかたちを理解するために、二つのモデルを用意しました。この二つ、「権門体制論」と「東国国家論」について学んでみましょう。第6「頼朝亡き後の内乱と北条氏」リーダーを失った武士たちは、陰惨な権力闘争を始めます。梶原・比企・畠山などの有力武士が滅亡し、政子を擁する北条氏が台頭します。第7「源氏一門平賀氏を例として」平賀・大内氏は源氏の一門の中でも、足利氏を超える最上位の存在でした。その足跡を明らかにしながら、鎌倉武士のありように迫ります。第8「後鳥羽上皇と朝廷の動向」後鳥羽上皇は歴代でも随一の能力を有する君主でした。上皇はどのような統治を行ったのでしょうか。文化を重視しながら探ります。第9「古文書の世界を覗いてみよう」歴史研究に古文書の解読は欠かすことができません。朝廷と幕府は、当時、どのような文書を用いていたのでしょうか。様式に注目しましょう。第10「幕府と朝廷の戦い」後鳥羽上皇は鎌倉幕府を倒すために承久の乱を起こします。日本の歴史の中で唯一、「朝敵」が勝利したこの戦いの意味について考えてみましょう。
講師概要
本郷和人
東京大学教授
1960年東京都生まれ。東京大学文学部・同大学院で日本中世史を学ぶ。専攻は中世政治史と古文書学。東京大学史料編纂所の助手・助教授を経て、現在同教授。著書に『名将の言葉:乱世を生き抜く101の奥義』(新潮文庫)、『天皇はなぜ万世一系なのか』(文春新書)など多数。2012年のNHK大河ドラマ「平清盛」で時代考証を担当。
住所
東京都中野区中野4-22-3 早稲田大学中野国際コミュニティプラザ1階
アクセス
JR中央・総武線・東京メトロ東西線「中野駅」下車北口より徒歩10分/関東バス「東京警察病院北門前」より徒歩1分 【中01】【大02】【宿04】【宿05】【宿07】【阿45】系統/
日時の変更もありますので、開講情報は必ずこのページの大学HPからご確認ください。
この情報は大学の許可をとっています。