古代東国の陸上・河川交通
大東文化大学地域連携センター
東松山キャンパス
佐々木虔一
古代交通研究会副会長
早稲田大学大学院文学研究科日本史専攻修士課程修了博士(文学)。専門は日本古代史、古代交通史。著
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概要
≪ 古代・中世の東国史を学ぶ Part23 ≫
総論 律令国家の道路と交通政策 (5月16日) 佐々木虔一
律令国家の時代(645~950年)は、地方と都は駅路・伝路という二系統の主要道路で結ばれていた。駅路・伝路は近年の研究では、幅の広い直線状の道と確認された。都への貢納物の輸送・防人・公用の使者らは駅路・伝路を往来した。駅路は一定距離に置いた駅家に、伝路は郡家(郡役所)に騎乗用の駅馬・伝馬が用意され、公用の使者が利用した。特に駅馬を用いた駅使は緊急情報を伝達した。
発掘された埼玉の古代道-「東山道武蔵路」を中心に- (5月30日) 根本靖
埼玉のほぼ中央を南北に縦貫する古代官道「東山道武蔵路」を中心として、古代における陸上交通を発掘された成果から、規模やルート、さらには周辺の集落や生産遺跡との関係も含めて総合的に埼玉の古代道について考察します。参考図書『道路誕生 考古学からみた道づくり』近江俊秀著 青木書店
古代東国の河川交通 (6月6日) 宮瀧交二
古代の東国において、東山道や東海道を利用した陸上交通に勝るとも劣らない重要な役割を果たしていたのが、関東平野を無数に流れていた河川を利用した河川交通でした。古墳時代以来、古墳の石室を築くための石材のような重量物の輸送や、須恵器のような壊れやすい製品の大量輸送には、河川交通の利用が不可欠でした。また、近年の発掘調査の進展により、古代の津の存在も明らかになりつつあります。講義では、埼玉県下を中心に、古墳時代から、奈良・平安時代、そして中世にかけての河川交通の役割を考古学の研究成果から分かりやすくお話します。
発掘された東京の古代道-武蔵国府周辺を中心に- (6月13日) 深澤靖幸
東京では、国府や国分寺を中心に、古代の道路跡が発掘されています。都と国府を結ぶ国道ともいうべき幹線道、国府と地域をつなぐ地方道、国府のマチの連絡路など、さまざまなレベルの道路跡が姿を現してきているのです。こうした道路跡を軸に、古代の国府を中心とした景観を描くとともに、それぞれの道の機能や役割についても考えてみたいと思います。
発掘された群馬の古代道 (6月20日) 高島英之
古代官道が発掘調査によってはじめて見つかったのは、群馬県高崎市内における事例であった。全国に先駆けて古代官道の遺構が考古学的に検証された群馬県内では、その後、相次いで東山道駅路の道構が調査され、全国における古代官道についての考古学的研究をリードしてきた。その具体例について紹介し、群馬県内における古代陸上交通路の特色についてみていきたい。
フィールドスタディー 「古代下野国の官衙・寺院・道」 (6月27日) 宮瀧交二
今回の講座では、埼玉県、群馬県、東京都の古代道について学習しますが、栃木県の様相についても、この機会に現地見学を通じて学習します。今回のフィールドスタディーでは、栃木県栃木市や下野市に集中して保存・整備されている、下野国庁跡、国分寺・国分尼寺跡、下野薬師寺跡、古代東山道跡(北台遺跡=現・久保公園)、しもつけ風土記の丘資料館などを一気に観光バスで巡見するツアーを企画してみました。是非この機会に御参加下されば幸いです。
※当日はお弁当をご持参ください。入館料等は各自負担となります。詳細は講座内で説明します。また当日は講座時間が通常とは異なりますので予めご了承ください。なお当日の道路状況により帰着時間が遅くなる場合があります。(観光バスを使用します)
講座期間
2017/05/16~6月27日《6月27日9:00~17:00》
講師名
佐々木虔一
古代交通研究会副会長
早稲田大学大学院文学研究科日本史専攻修士課程修了博士(文学)。専門は日本古代史、古代交通史。著
アクセス
東武東上線「高坂」駅(有楽町線・副都心線乗り入れ)西口より無料スクールバスで約7分あるいは路線バス(川越観光)鳩山ニュータウン行「大東文化大学」バス停下車
日時の変更もありますので、開講情報は必ずこのページの大学HPからご確認ください。
この情報は大学の許可をとっています。