KD52母が子に伝える細胞質ゲノムの働き- 小さなゲノムの大きな力 -
深草キャンパス
中村千春/森直樹/古本強/寺地徹/村井耕二
講義詳細
巨大な核ゲノムに比べて小さいけれど、細胞質ゲノムは光合成と呼吸という基幹的機能の他に、生存、生育、生殖や環境ストレスに対する応答など様々な機能を通じて植物の生産性や品質を支配する重要な役割を担っています。しかも、こうした機能は核ゲノムとの共同作業の結果として発揮されています。
本講座では、細胞質ゲノムのもつ多様性とその働きの面白さ・不思議さを、農業関連の話題を中心にお話しする予定です。
講座日程
(1) 9月30日(土)細胞質ゲノムってなんだろう? 担当:中村 千春
(2) 10月14日(土)コムギ1万年の旅 担当:森直樹
(3) 10月21日(24)緑色だから葉緑体って、安易じゃない? 担当:古本 強
(4) 11月11日(土)葉緑体の遺伝子組換え-その可能性を探る- 担当:寺地 徹
(5) 11月18日(土)男はつらいよ!〜ミトコンドリアが頑張って雄しべをつくる〜 担当:村井 耕二
受講対象者:特に制限はありません。
植物遺伝学、Ph.D.(アメリカ合衆国コロラド州立大学大学院)、元神戸大学農学部長・理事・副学長、コムギ・イネの遺伝育種学、基礎生物学テキストシリーズ第1巻「遺伝学」化学同人、「メンデルの仕事と人生」(Web版)、「ジョージ・ビードル:非凡な農民」(Web版)
森直樹/神戸大学農学部教授
植物遺伝学、京都大学博士(農学)、重要な作物であるコムギの起源と進化について主に遺伝学の立場から研究をしている。これに加えて海外でのフィールド調査にも参加し、自然に生きる祖先野生種の多様性や古くから栽培されてきた在来種と人との関わりについても関心を持つ。
古本強/龍谷大学農学部教授
植物生理学・生化学・分子生物学、Ph.D.(農学)、東京大学大学院理学系研究科(助手)、京都大学大学院生命科学研究科(助手)、広島大学大学院理学研究科(准教授)を経て、現職。葉緑体に局在するピルビン酸輸送体を同定したことでNature誌に掲載された。「光合成」の研究をしている。
寺地徹/京都産業大学総合生命科学部教授・学部長
植物分子遺伝学、京都大学博士(農学)、大学時代から一貫して高等植物の細胞質ゲノムの研究を行なっている。パンコムギの葉緑体とミトコンドリアのゲノムを解読する、ダイコンの雄性不稔細胞質の起源を明らかにするなどの研究業績がある。ここ15年は、葉緑体の遺伝子組換えにチャレンジしている。
村井耕二/福井県立大学生物資源学部教授・学部長
京都大学博士(農学)、コムギの生殖成長(花成、花器官形成)の遺伝子の研究をしています。福井県の栽培に適したコムギ新品種「ふくこむぎ」を開発しました。現在、福井県内で100ヘクタール以上栽培されています。
日時の変更もありますので、開講情報は必ずこのページの大学HPからご確認ください。
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