東アジアの本草の歴史と生活文化<アジアの生活と文化>
青山学院大学
青山キャンパス
八耳俊文
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講座名
東アジアの本草の歴史と生活文化<アジアの生活と文化>
概要
「本草」とは中国で生まれた動植鉱物を対象とする自然学・薬学である。言葉としては紀元前後の文献に現れ、その始まりは神仙思想と密接に結びつき、不老長生薬としてどれが適しているかの関心から自然物を調べ上げ、その知識をまとめたものである。長生が究極の目標ではあるが、当然、日常に罹る病気への対策を怠るわけにはいかず、広く薬学の色彩をもつ自然学である。中国で生まれ、中国での知識をまとめた本草であったが、朝鮮半島や日本にさらにベトナムへと広がると、中国の本草書の研究だけでなく、各地域の自然物への関心を惹起した。たとえば日本では『本草綱目』は中国で刊行後の間もない時期に伝わり、『本草綱目』の研究から、『本草綱目』には掲載されていない自然物(例えば日本固有の植物や魚類)の研究へと発展することとなった。こうして江戸前期には当時流行の種々の食物本草の書物が著され、1709年には貝原益軒により日本原産地のモノについて『大和本草』としてまとめあげられた。江戸時代は自給自足の時代であり、それぞれ諸藩においても産業の発達がはかられ、自国の資源調査も精力的に進められた。こうした中で産業や資源としての関心に満足することなく、動植鉱物への純然たる知識が競われるようになり、それを記録に残すかのように、色鮮やかな図譜も描かれるようになった。自然物への知識がいったん修得されると、次にはより高い水準やより広い範囲を求めて交流が行われるようになった。本講義ではこれら東アジアの交流の中で生まれた本草の精華を紹介するとともに、そこに残された交流の様子を読み解きたい。
講座期間
2017/5/20~2017/05/20
講師概要
青山学院女子短期大学学長。名古屋大学理学部地球科学科卒業。東京大学大学院理学系研究科科学史・科学基礎論専門課程博士課程満期退学。専門は科学史
アクセス
JR山手線、JR埼京線、東急線、京王井の頭線、東京メトロ副都心線他「渋谷駅」より徒歩10分/東京メトロ(銀座線・千代田線・半蔵門線)「表参道駅」より徒歩5分
日時の変更もありますので、開講情報は必ずこのページの大学HPからご確認ください。
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