イルカ・クジラ学/~海に戻った哺乳類~
鶴見大学生涯学習センター
鶴見大学会館
植草康浩
-IT・科学, 教養その他, 講義詳細
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概要
イルカやクジラは、哺乳類でありながら今から約5500万年前に海へと戻っていきましたが、その生態や、陸に上がるために作り替えた身体をどのようにして海で暮らせるようにしているのか、多くが謎に包まれたままです。一方で、ヒトは古くからイルカやクジラを利用してきました。日本は水族館大国で、世界の水族館の約1/5が存在し、毎年約3000万人以上が訪れています。飼われているイルカは約600頭前後、これほど大きな規模でイルカやクジラと日々触れ合う国はどこにも存在しません。その割に日本から発信されるイルカ・クジラ学に関する知見はそれほど多くなく、国民の理解も「可愛い・利口」というところからなかなか先へ進めないでいます。本邦近代鯨類学の父で医師でもある、故小川鼎三博士の有名なことばがあります。「哺乳類の世界にきわだって高い二つの山がお互いに全く離れたところにそびえている。これがヒト山とクジラ山であって、…中略…、人間である研究者はいつもヒト山の頂上から下界を眺めるくせがついている。見る方向が一定しているので、低い山や岩の陰になっている所がみえず、そのために間違いやすい。人間を標準にして考えて、人間がごく特殊な哺乳動物であることを忘れるのである。その誤りを防ぐのに、クジラ山の頂からの眺めが大変良い参考になる。」
本講では、イルカ・クジラの海棲適応の妙に重きを置きつつ、包括的なイルカ・クジラ学を学ぶことで、今までとは違った角度で見る目を養い、翻って自分たちを理解するきっかけを得ることを目的とします。どうぞお気軽にご参加下さい。
講座期間
2018/04/12~2018/06/21
講師概要
千葉大学大学院医学研究院修了、大阪大学大学院歯学研究科修了。医師・歯科医師、医学博士・歯学博士、日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。鶴見大学非常勤講師。日常診療と大学講義の傍ら、趣味でイルカ解剖学を研究。沖縄美ら海水族館をはじめとする各水族館獣医師らと共同で、イルカ診療技術の新規研究開発にも取り組んでいる。近著に「イルカ発声メカニズムに関する解剖学的特徴」勇魚第66号(2017)ほか。
日時の変更もありますので、開講情報は必ずこのページの大学HPからご確認ください。
この情報は大学の許可をとっています。