生命科学②老化はコントロールできる/長寿時代を生きるヒント

東京理科大学公開講座
神楽坂/森戸記念館
田沼靖一

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講義詳細

講義詳細
講座名
生命科学②老化はコントロールできる/長寿時代を生きるヒント
大学
東京理科大学公開講座
キャンパス
神楽坂/森戸記念館
概要
「老化」は、必然の「死」に近づいていく過程であり、科学的には生理機能の衰退現象をさします。これまでに多くの老化学説が出されていますが、老化の主たる原因は、ストレスや紫外線、放射線などによって発生する活性酸素や、食物や環境物質に含まれる発癌性物質などによるDNAの損傷やタンパク質の変性によるものであります。人の老化過程には、個人差がみられます。これは生活の仕方や環境などの後天的な要因が大きく関与しているからです。このことは逆に、毎日の生活の中のストレスなどをうまく回避できれば、老化スピードを遅らせることができることを意味しています。つまり、老化は不可逆的に進行する過程ではありますが、コントロールできるものなのです。
歳をとると物忘れが多くなったり、記憶力や体力も衰えてきます。「老化」はだれしも好まない、いやなイメージしかないでしょう。ところが、歳とともに備わってくる能力があります。それを「結晶性知能」といいます。先を見る力、いろんなことを発想して判断する力、統率力といった高度な知性です。また、風雅を感じとる感性も育まれてきます。この「老いの知性」を活かして、老いの時間を人生の新たなステージとして捉え、自分らしく自由にワクワクした気持ちで運ぶことが大切なことだと思います。
それでは、なぜ人には“老い”というものがあるのでしょうか。「老い」はおそらく、「自分とは何か」を問うことのできるかけがえのない時間なのだと思います。それは、そのなかで自分自身のアイデンティティが完結されていくからです。そして、自分の価値観を人生にどのように反映していくかを、老いの時間のなかで考えていかなければならないでしょう。もう一度、自分の人生ステージを立て直し、自分にしかできないことをしていくようにするのが良いのでしょう。自分のシナリオは、自分にしか描けないのです。
いつも心豊かな夢を抱き、それを形にしていく勇気をもって一歩踏み出せば、きっと生きていてよかったと思える瞬間にたくさん出会えることでしょう。その時間が、人生を豊かに潤してくれるのではないでしょうか。神様からプレゼントされた「老いの時間」は、後の世代に何かよい贈り物を残す時間なのだと思います。それは有形なものでも、無形なものでも夢があればよいでしょう。その夢を誘い出せるのは、自然の美に触れ、感動する心以外にはないと思います。そして、そこで生まれる愛の精神のみが、人の心の中に無限に遺し伝えられていくにちがいありません。本講座では、「老化」を科学の面から理解して、「老い」の時間をよりよく生きるヒントを考えてみたいと思います。
会員価格
2,500円
一般価格
講座期間
2017/11/18~2017/11/18
開講時間
10:00~11:30
曜日
講座回数
1回
定員
70人
講師名
田沼靖一
講師概要
本学薬学部薬学科 教授 博士(薬学)
東京大学大学院薬学系研究科博士課程修了。帝京大学薬学部助手、講師。米国立衛生研究所/癌研究所(NIH/NCI)留学。東京工業大学生命理工学部助教授。1992年本学薬学部教授。2011年同学部長。アポトーシス学会会長。
住所
東京都新宿区神楽坂4-2-2
アクセス
JR総武線、東京メトロ有楽町線・東西線・南北線、都営大江戸線「飯田橋」駅下車、徒歩5分/東京メトロ東西線「神楽坂」駅下車、徒歩5分/都営大江戸線「牛込神楽坂」駅下車、徒歩5分
申込

日時の変更もありますので、開講情報は必ずこのページの大学HPからご確認ください。

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