英語で語る落語とは
「英語の落語といっても、まったく難しくありません。楽しんでもらえると思いますよ」(鹿鳴家英楽・かなりやえいらく先生、「」内以下同)
と話すのは、講師の鹿鳴家英楽先生。上智大学卒業後にテンプル大学大学院を修了しており、英語は当然ペラペラ。立川談志に強い影響を受け、落語立川流に参加した経験もある。神田外語大学、駒澤大学で非常勤講師を勤めており、自身もキャナリー英語落語教室を主宰し、英語落語の普及に進めている。いわば英語と国際文化の専門家だ。
笑える噺と泣ける噺
講義は落語の分類から始まった。
「まずは英語の落語を聴く前に、これくらいは押さえていただきたい、落語の基礎です。
落語には大きく分けて、〈古典落語〉と〈新作落語〉があります。そして、もうひとつの区分として、〈滑稽噺(こっけいばなし)〉と〈人情噺〉があります」
ざっくり言えば、〈古典落語〉は昔の噺、〈新作落語〉は今の噺。そして〈滑稽噺〉は笑える噺、〈人情噺〉は泣ける噺。
落語は主に、以下の4パターンに分類できるという。
●古典の滑稽噺→つる、からぬけ、粗忽(そこつ)長屋、子ほめなど
●古典の人情噺→芝浜、文七元結(ぶんしちもっとい)、子別れ、火事息子など
●新作の滑稽噺→親の顔(立川志の輔)、忘れ物取扱所(桂文枝)など
●新作の人情噺→歓喜の歌(立川志の輔)、布哇(ハワイ)の雪(柳家喬太郎)など