埼玉県考古学七つの謎
大東文化大学地域連携センター
東松山キャンパス
坂本和俊
祭祀考古学会会員
國學院大学大学院修士課程修了文学修士。専門は日本考古学(弥生時代~平安時代の宗教的遺跡・遺物)。論文
-日本文化, 講義詳細
-大東文化大学地域連携センター, 講義詳細
概要
≪ シリーズ講座 郷土の歴史を学ぼう ≫
雷電山古墳の謎 -時期・埴輪・墳形をめぐって- (5月20日) 坂本和俊
東松山市雷電山古墳は、東海系有段口縁壺形土器が出土したと紹介されたために県内最古の前方後円墳と見られた時期もあった。その後、その土器が同丘陵の別地点から出土したとされ、円筒埴輪から築造時期が考えられるようになった。しかし、その特徴は類例が少なく、多くの謎を秘めている。その謎を解き明かしてみよう。
更新世出土局部磨製石斧の謎 -地層の年代・旧石器の定義をめぐって-
(5月27日) 松本富雄
更新世とは、地質年代で約300万年前から約1万年前を指し、気候的にはそのほとんどが氷河と間氷河の時代を繰り返し、生物では人類が発展し、現代の人類文明の礎が築かれた時代である。考古学的には旧石器時代に当たる。今回は、日本列島約10,000か所に存在する旧石器時代の特異性とされる磨製石器の存在や環状に形成されたムラ跡?の謎に迫ってみたい。
縄文土器の謎 -埼玉県の縄文文化- (6月3日) 鈴木徳雄
採集狩猟を主な生業としていた縄文時代の土器には地域色豊かな文様が沢山つけられています。講座では、県内の縄文文化の概要とともに、縄文土器の見方や、その謎についてお話します。
熊谷市周辺の石戈の謎-銅戈・銅鐸等青銅器との関係をめぐって- (6月10日) 松田哲
石戈(せっか)とは、弥生時代に中国や朝鮮半島から伝わった青銅器の銅戈を模倣して作られた日本独自の祭器です。主に青銅器が分布する西日本で数多く見つかっていますが、近年熊谷市周辺でも全国初となる文様の描かれた事例も含め出土数が増えてきました。今回の講座では、石戈の出土が何を意味するのか、そして青銅器が出土する可能性はあるのか、などについて検討いたします。
稲荷山古墳の謎-出現背景・埋葬施設・鉄剣をめぐって- (6月17日) 坂本和俊
昨年末(2016年12月)の朝日新聞は、電探調査から稲荷山古墳に新たな埋葬施設が存在する可能性が高いことを報じた。その立場から稲荷山古墳の銘文鉄剣を捉えて来たので特別驚かないが、新たな埋葬施設の推定方位が鉄剣出土の礫槨と異なること、礫槨の方位が特異なのが再確認された。礫槨方位の謎解きから稲荷山古墳を捉え直してみたい。
埼玉最大の古代寺院・寺内廃寺の謎 -造営氏族・寺院名をめぐって-
(6月24日) 森田安彦
埼玉県熊谷市に所在する寺内廃寺は、古代男衾郡に所在した寺院です。造営者、寺院名は文献資料から確認することはできませんが、発掘調査により、8世紀前半から10世紀後半にかけて存在した、本格的な伽藍配置を持つ大規模な寺院であったことが確認されています。今回は、寺内廃寺の性格について、古代男衾郡の大領壬生吉志氏との関わりや、周辺の遺跡の動向・出土遺物などから考えます。
東山道武蔵路の謎-ルートの復元と調査の現状をめぐって- (7月1日) 加藤恭朗
東山道武蔵路のルートについては、東の上遺跡で発見されて以来、各地で調査が進み、現在、埼玉県坂戸市の北部まで道路が確認されたが、これより、北側のルートは不明である。また、大きな謎として、武蔵路がなぜこのルートで整備されたのかである。宝亀2年には廃止され、役割を終えたと解されるが、その役割とは何であったのか。こうした疑問について考えてみたい。
フィールドスタディー (7月8日) 坂本和俊
土・日・休日が閉館であるために日頃見学する機会が少ない、熊谷市江南文化財センターを特別に開館していただき見学する。その後、上里町郷土資料館に立ち寄ってから昨年夏リニューアルオープンした群馬県立歴史博物館を時間をかけて見学する。
※当日はお弁当をご持参ください。博物館等の入館料は各自負担となります。詳細につきましては講座内で説明します。また当日は、講座時間が通常とは異なりますので予めご了承ください。なお、当日は道路状況により、帰着時間が遅くなる場合があります。(観光バスを使用します。)
講座期間
2017/05/20~7月8日《7月8日9:00~17:00》
講師名
坂本和俊
祭祀考古学会会員
國學院大学大学院修士課程修了文学修士。専門は日本考古学(弥生時代~平安時代の宗教的遺跡・遺物)。論文
アクセス
東武東上線「高坂」駅(有楽町線・副都心線乗り入れ)西口より無料スクールバスで約7分あるいは路線バス(川越観光)鳩山ニュータウン行「大東文化大学」バス停下車
日時の変更もありますので、開講情報は必ずこのページの大学HPからご確認ください。
この情報は大学の許可をとっています。