NHKの人気番組「ブラタモリ」では、城下町金沢の水路や商都大阪を支えた上町台地など、歴史都市がよく取り上げられているが、じつは大阪の富田林(とんだばやし)も台地上に築かれ、整備された水路をもつ、戦国期に形成された「寺内町」。その知られざるヒミツをたどる。
河岸丘陵の上の都市には堀が
歴史と建築と防災(!?)をテーマに探る立命館土曜講座「歴史文化都市の防災と建築史学」で、青柳憲昌先生(同大理工学部講師)が取り上げたのは「寺内町」富田林。
富田林は、大阪府南部、南河内と呼ばれる場所にある。浄土真宗寺院の興正寺別院を中核として形成されてきた寺内町だ。「寺内町」というのは戦国期の自治的な都市で、浄土真宗の門徒によって自衛のために形成された。
富田林は石川という川の河岸丘陵地帯に発展した。台地にあるので「台地型寺内町」と呼んでいるそうだ。このタイプの都市は、大阪をはじめ、富山県や石川県などに11都市あるという。
河岸丘陵の上に都市ができると、一方を川に守られているので防衛上有利となる。がしかし、反対側は防衛上の弱点となるため、堀が建設される。富田林も周囲は土塁と堀割で囲われていた。