3000回以上続いている京都の名物“土曜講座”とは?

立命館土曜講座@立命館衣笠キャンパス

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控え室にかかる『平和と民主主義』の扁額

梅原猛も白川静も

それにしても、休むことなく71年間!! 土曜講座3000回を記念して発行された『知のアトリエを求めて』(立命館大学衣笠総合研究機構、2011)には、実施されたすべての講座演題と講師の一覧があった。

法律、政治、経済、文学、歴史、美術や映画、広告などなど。演題は多岐にわたる。講師陣も立命館大学の教授だけでなく、外部の講師や民間からも名を連ねている。その中には、梅原猛や立命館大学に縁深い白川静の名もある。そんな著名な人々の講座も、すべて無料で市民に開放されていたのだ。しかも、事前申し込みが不要なので、思い立ったらふらっと行ってみることができる。

「『学問を通して人間をつくるのが大学である。大衆とともに歩き、考え、学ぶことが重要である』という精神に基づき、研究内容を一般の方にも聴いていただこうと、末川先生の意志を引き継いで講座を続けています」(古瀬さん)

この土曜講座には、立命館大学の精神や思想、受け継いできたものなど、いろいろなエッセンスが詰まっている。知の学び場として、血の通った学問をするために、市民とアカデミズムをつなぐ。そんなやりとりが毎週土曜日、この土地で繰り広げられているのだ。

各研究所が持ち回りで担当

土曜講座は、立命館大学内の各研究所が、ひと月ごとに持ち回りで担当していく。たとえば4月は人間科学研究所が担当する講座が4回開かれる。3月は、研究所ではないけれども、災害復興支援室により東日本大震災に関連する3講座が開催された(そのひとつが「大震災から住民主体の町づくりを成功させた奇跡の町」)。

一般の受講生を対象にしているから、門外漢であっても問題ない。講座が終わったあとに質問も受け付けているので、疑問に思ったことを聞くことができる。自由な空気のある講座だからこそ3000回以上も続いているのかもしれない。

〔あわせて読みたい〕 大震災から住民主体の町づくりを成功させた奇跡の町

〔おすすめ講座〕立命館大学土曜講座

〔大学のココイチ〕 末川記念会館の一階には、陪審室が再現されています。まるでドラマのワンシーンのような雰囲気に、興奮!

 

取材講座データ
立命館土曜講座 立命館大学衣笠キャンパス

2017年2月25日取材

文・写真/まなナビ編集部

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