ひと月も休むことなく続けられて
京都市北部に、金閣寺や龍安寺、仁和寺といった名刹を結ぶ「きぬかけの路」がある。“名物講座”は、この「きぬかけの路」の中ほどに位置する、立命館大学衣笠キャンパスで実施されている。
講座の名称は「立命館土曜講座」。一般市民も参加できる無料講座として、毎週土曜日に開催されている。2017年3月末時点で、実施回数はなんと通算3196回! 土曜日が月4回として、1年で48回。3000回やろうと思ったら……いったい何年かかるの!? 講座を担当する立命館大学衣笠リサーチオフィスの古瀬さんに尋ねてみた。
「立命館土曜講座は、1946年、戦後間もない頃に、末川先生によって始められました。それからひと月も休むことなく、土曜日(毎週のこともあれば隔週のことも)に開かれているんですよ」(担当:古瀬さん)
末川先生とは、立命館大学の名誉総長であった故・末川博先生のこと。そういえば、講座の会場も「末川記念会館講義室」である。
1922年創立の立命館大学は、教学理念に「平和と民主主義」を掲げている。彼は、戦後間もなく京都大学から立命館大学へと赴任し、その理念を守って発展させた。土曜講座の第一回目は、1946年3月、「労働組合法について」の演題で末川博によって始められた。