家康や幸之助を知る必要があるように
「差別問題は単純に良い悪いではなく、その歴史を知って学ぶことが何よりも大切」とバーダマン先生は語る。
「差別は、異なる国籍や宗教の人と一緒に暮らす現代社会にもつながる課題です。人種だけでなく、文化や男女、経済などあらゆる面で差別は起こりうる。様々な人が共存するなかで、区別することが必要となる場面もある。例えば、インドカレーを食べる人と、その匂いが苦手な人が共存するためにはインドカレー用のビルを作ることが求められる場合もあるかもしれません」
「英語で歴史や文化を学ぶというのは、文化的コミュニケーションツールとして必要な教養を身につけるということ。日本で徳川家康や松下幸之助を知らなければ会話についていけないように、異文化のコミュニティに参加するためには、知っておくべき歴史や人物があります」
そう強く感じているバーダマン先生がこの春から開講するのは、「英語で話す日本史〔中級〕」「英語で話す戦後の日本〔中級〕」(以上、早稲田校)と「アメリカの教科書で学ぶアメリカ史〔中級〕」(中野校)。「授業を通して身に着けてほしいのは、英語を超えた「教養」です」とバーダマン先生。
「歴史好きの方や、教養としての英語を身につけたいという方の参加をお待ちしています!」とのことである。
バーダマン先生が受講を勧めるのはこんな方々──
・歴史や文化に興味がある人
・能動的に学ぶ姿勢がある人
・100%わからなくても前に進める人
・留学や海外赴任など、異文化圏での生活の予定がある人
「自分自身を知ってもらい相互理解を深めるために、自分の育った文化や歴史が英語で話せることも大切。これは、私自身が外国人として日本に来た経験からも強く感じていることです」とバーダマン先生は語る。
〔今日の名言〕「英語で歴史を学ぶ=文化的コミュニケーションツールとしての教養が身につく」
〔受講生の今日イチ〕参考資料としてウィキペディアのコピーを持参している人が多い。
〔おすすめ講座〕
「英語で話す日本史〔中級〕」
「英語で話す戦後の日本〔中級〕」
「アメリカの教科書で学ぶアメリカ史〔中級〕」
取材講座データ | ||
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Western Genius〔中級〕 | 早稲田大学エクステンションセンター早稲田校 | 2016年度秋期 |
2016年12月6日取材
文/露木彩 写真/早稲田大学提供、Adobe Stock