レプリカの木札もうやうやしく登場
授業開始前、うやうやしく大きな箱が運びこまれる。中から出てきたのは、時代劇でよく掲示板として登場する木製の高札だ。「寛永十六年」の文字が見える。
「寛永十六年、1639年(江戸時代)に、長崎でポルトガル船の来航禁止を掲げるために作られた高札です。でも実はこれ、レプリカなんです」と話すのは、本講座コーディネーターの佐久間勤先生。
「本物も本学のキリシタン文庫が所蔵していますが、本物は非常に古く、傷みもあり、運び出してみなさんに見ていただくこともできないので、昨年、精巧なレプリカをつくりました。現物をレーザープリンターでトレースして、職人さんが手で塗っているんです。本物を忠実に再現した精巧なつくりですよ!」
授業の前後には、このレプリカ高札に間近まで寄ってじっくりと文字を読んでみた。江戸時代の町民になったかような気分になってくるから面白い。
秀吉の命で磔にされた長崎二十六聖人
講師は毎回変わる。この日、講師を担当したのは、長崎二十六聖人記念館館長で、イエズス会神父のデ・ルカ・レンゾ先生。
長崎二十六聖人記念館が所蔵する、キリシタン迫害期長崎の地図や、キリシタンたちの書簡などが次々とスクリーンに映し出されながら、殉教の歴史が解説された。