美肌ホルモン「アディポネクチン」は肥満で減少する

分子栄養学で美しい肌を手に入れる(その2)@東京農業大学オープンカレッジ

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どんな高級コスメよりも和食が美肌への早道?

どんな高級コスメよりも和食が美肌への早道?

アディポネクチンを増やす赤ワイン、青魚、食用菊

ぜひ知りたいのが、アディポネクチンを増やす要因、減らす要因。

アディポネクチンを増やすには、適切な体重の維持、適度な運動、そして、アディポネクチンを増やす作用のあるとされる食品を取ることが必要だそうだ。たとえば、レスベラトールを含む赤ワイン、DHAやEPAを含む青魚、食用菊などもアディポネクチンを増やす作用のある食品だという。

逆に減少させる要因は次の3つ。先に述べた脂質の過剰摂取、喫煙、そして睡眠不足だ。

「皮膚の深部にある脂肪組織には、いくつかの役割があります。衝撃に対するクッションとして、体温の保持のため(肥満の人が汗をかきやすいのはこのため)、そしてホルモンや酵素を分泌することです。さらにホルモンは、栄養(肥満)状態によって分泌される量や種類が異なることがわかってきました」(山根先生)

アディポネクチンも、この脂肪組織から分泌される。そして脂肪重量が増えると、アディポネクチンの分泌量は減り、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)という物質が放出されるという。これは皮膚機能を低下させるのだそう。

つまり肥満になると、“美肌” ホルモンともいえそうなアディポネクチンが減り、さらに “汚肌” をつくるMMPが作られるのである。肥満を抑制することこそが、皮膚機能を改善するキーであることがよくわかる。

動物性脂肪の摂取量が増加すると……

さらに山根先生は、抗肥満作用のあるとされる食品を紹介してくれた。

「抗肥満作用があるとされている食品は、緑茶(カテキン)、大豆(βコングリシニン)、みかん(β-クリプトキサンチン)などです」

すべて古くから日本で食べられてきた食材ばかりではないか。戦後、食の欧米化などにより日本人の動物性脂肪摂取量と総脂肪量は大幅に増えた。我々はどんどんと美肌を損なってしまっているのである。

アディポネクチンを増やす食用菊や青魚と、肥満を防ぐ緑茶にみかん、それに加えてお肌によいというグルコシドセラミド(前の記事「美肌のために食べるべきはセラミドかコラーゲンか」参照)を多く含む麦や米、大豆、トウモロコシが講座で紹介された美肌最強食材。これは、どうみても和食ではないか。もしかしてどんな高級コスメよりも和食が美肌への早道?

記者が翌日から朝食を和食に切り替えたのは言うまでもない。

山根拓実先生

〔前の記事〕美肌のために食べるべきはセラミドかコラーゲンか

〔分子栄養学と美肌の関係を知るには〕分子栄養学で美しい肌を手に入れる 【Cクラス】

取材講座:「分子栄養学で美しい肌を手に入れる」(東京農業大学オープンカレッジ 世田谷キャンパス)

文/和久井香菜子 写真/和久井香菜子、(c)sunabesyou、(c)taa22 / fotolia

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