日常の暮らしを正す8つの教え
では、実際に「行」を行なうとき、どこにどう気をつければいいのか。その答えも仏教書の中に書かれているという。
その一つが、極端に寄らない「中道」の教え。そして、もうひとつが、正しい行いを示す「八正道(はっしょうどう)」の教えである。
「八正道」とは、次の8つ。
(1)正見(しょうけん):正しい人生観、世界観、倫理観。
(2)正思(しょうし):正しく思い巡らすこと。
(3)正語(しょうご):正しい言葉づかい。
(4)正業(しょうごう):正しい行動や行為。
(5)正命(しょうみょう):正しい生活や態度。
(6)正精進(しょうしょうじん):正しい努力を続けること。
(7)正念(しょうねん):正しい気遣いや思慮。
(8)正定(しょうじょう):正しい精神統一。
これを念頭に置きながら生活をする。これなら私たちにもできそうである。そして、最後に大切なのが「祈りの実践」である。
なぜ祈りが大切なのか
「祈りの実践」とは、たくさんの命に囲まれて私たちが生きている、と自覚することだという。
それは、他の命との「縁」を考えること。考えてみれば、私たちが今あるのは、はるか昔から続いてきた命のリレーがあるからであり、毎日食する食べ物も他の命をいただくものばかり。
他の命に心を寄せるために、仲田師は次のことが大切だと説く。
●命と命の結びつきについて考えること。
●命への感謝、私たちを支えてくれているものへの感謝を持つこと。
●人との出逢い、偶然と必然、一所懸命と一生懸命について考えること。
●縁(えにし)への思いを抱くこと。
これが仏の教えを、私たちの身の内に持つということだ。他に生かされ、他のために生きることを考えよう。