教師役(補助役)となるのは、サン・ディエゴ校の学生たち。学生たちが「ゲームをしよう」と子供たちに呼びかけ、子供たちは学生とゲームをしながら、遊びの中で英語を学び、アメリカの文化を覚えていく。学生もまた、子供とのやり取りの中で喜びや達成感を見いだしていく。
このプログラムは、すでに30年にわたって実践され、移住者の子供がサン・ディエゴ校に入学し、今度はその大学生たちが新たな移住者の子供に教えるという、まさに“魔法の”サイクルもできあがってきているという。
さまざまな分野でも活躍するシリアスゲーム
シリアスゲームは、その名のとおりシリアスな場面でも活躍している。
たとえば「手術」。医療機関のシリアスゲームとして、開腹手術をして手術スキルを確かめるゲームがあるという。
たとえば「軍事」。米軍では、訓練用のゲーム開発に力を入れている。また、戦場を3D映像で再現し、PTSDの治療に役立てようというゲームもある。
もしかして、飛行機の操縦訓練をおこなうフライトシミュレータ(模擬飛行装置)もシリアスゲームの一種と考えてよいのかもしれない。
いま日本では人々は電車やバスの車内でスマホの小さな窓を見つめてばかりいるけれども、そのコンテンツ次第で、その窓は人間の可能性を広げてくれる窓になるかもしれない。その入り口がゲームなのだ。
〔子供の能力を伸ばすには〕
子供の社会性を伸ばす、ゲームの遊び方
発達障害、家庭で気づく3つのポイント
子供のやる気を引き出す言葉と親の態度
子供の才能を伸ばす場に 大学講座の新たな可能性
取材講座:「共に遊び学ぶためのゲーム~協調的シリアスゲームの可能性」(立命館大学土曜講座第3202回)
文/植月ひろみ 写真/稲葉光行(シリアスゲーム)、植月ひろみ(講座写真)