外国人が日本語講座で納得する便利であいまいな語尾

外国人向け日本語講座@上智大学公開講座

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外国人が覚えておくと便利な表現とは?

「たり」と同じく、「~すぎる」を付ける場合も、動詞によって変化の形は異なってくる。外国人にとって、この変化の法則を覚えるのは容易ではないようだ。

 たべる→たべすぎる
 つかう→つかいすぎる
 べんきょうする→べんきょうしすぎる
 小さい→小さすぎる
 高い→高すぎる

さまざまな言葉に「すぎる」を付ける練習が続く。先生の質問と、受講生の回答が続く。質問に答えられない受講生には、他の受講生が助け舟を出す。語学の習得には「声に出す」ことが大事なのだと実感する。

「~すぎます」のレッスンから、ショッピングのシチュエーションの練習に移る。「性能がよく動きが速いけど高いパソコンと、反対に、性能が悪く動きは遅いけれど安いパソコン、あなたならどちらのパソコンを買いますか?」という先生の質問に対して、二人一組で自分の意見を言いあう。ここでは「~すぎる」とともに、「~が」という逆接表現を学ぶことにもなる。

「このパソコンは、安いですが、遅すぎます」

ショッピングの会話の中で、ある受講生が「ちょっと伺いたいです!」と、隣りの受講生に質問を投げかけた。それを受けて先生から、ショッピングにおける質問の仕方について、アドバイスがあった。

空気を読む日本人ならでは

日本では、「伺いたいです」と言い切るよりも、「伺いたいんですが……」と、断定しないほうがよいのだと、先生は言う。

例えば、電話でお店の予約をするとき、日本人は「予約をしたいです」ではなく、「予約をしたいんですが……」と、あるいは職場で体調が悪く、今日は仕事を切り上げて早く帰りたいなというとき、上司には「今日、少し早く帰ります」ではなく、「今日、少し早く帰りたいんですが……」と言う。これらは自分の意見を主張するだけではなく、相手の反応を見つつ、相手の同意ないし反応を求める振る舞いであることが説明される。

つまり、円滑なコミュニケーションを図る時には断定しない言い方を使うとよいのだと。なーるほど。もし外国人の友だちができたら教えてあげよう。

“空気を読む”日本人ならではの言葉なのかもしれない。そして、外国人の受講生が意外にこの日本人的ニュアンスを受け入れて理解していることが結構大きな驚きだった。

〔受講生の今日イチ〕日本語の難しさを訊ねると、みな一様に、「漢字」!

〔大学のココイチ〕都会のど真ん中で仕事帰りにもアクセス便利。大学が提供する講座なので学位をもった経験豊かな講師!受講生同士の交流や情報交換の場にもなっている。

〔おすすめ講座〕Essential grammar for meaningful communication in Japanese 初級
(集中講座)Beginners’ Japanese:Learn to communicate in 8 weeks 入門

取材講座データ
日本語:Essential grammar for meaningful communication in Japanese 初級 上智大学公開講座 2016年秋期講座

2017年1月13日取材

文/まなナビ編集室 写真/上智大学提供、まなナビ編集部

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