人の話をうまく聴くコツは〇〇しすぎないこと

認定資格「心のケアカウンセラー」をとろう!〈基礎編〉@文京学院大学生涯学習センター

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SさんはMさんの様子を見守りながら言葉を選んでいく。一方、当初戸惑い気味だったMさんは徐々に自分から話すようになっていった。観察者の人たちはその様子をじっと見守り、ノートを取る。

これは、文京学院大学の生涯学習講座「認定資格「心のケアカウンセラー」をとろう!<基礎編>」のひとこまだ。

指導するのは、長く産業医の活動に携わり、メンタルヘルスを専門とする野坂哲夫先生と、アシスタントの宮川結花先生。大学での講義のほか、各地の企業研修も行っている。

メンタルヘルス問題の増加にカウンセラーが追いつかない

企業での研修を通じてメンタルヘルス問題の増加、それに対応できるカウンセラーの少なさを実感し、カウンセラーの養成に力を入れているという。野坂先生は語る。

「カウンセラーは特別なものではありません。どんな分野においても、人のサポートができる訓練された人は必要なのです。子育てに疲れているお母さんや、人間関係に悩む若い人たちも多いですし、とくに人と接する時間も多い介護や福祉の仕事で働く人たちは、職を続けるべきかどうか悩む人も多いのです。

心理学やカウンセリングになんとなく興味がある、人のサポートがしたい、職場や家庭の人間関係をなんとかしたい、メンタルヘルス問題に関心がある、といった方であれば、ぜひ参加していただきたいと思います」

実際、アシスタントをつとめているカウンセラーの宮川先生は、子育て中のお母さんの心のケアなども行っているという。

野坂先生は、この講座をカウンセラーの養成だけでなく、女性が社会復帰するための支援として資格を取るものとしても位置付けている。講座は前期と後期に分かれているが、後期講座終了後には学科・実技試験が実施され、合格すればM&C教育企画の認定資格を取得できるためだ(前期・後期を通して8割の出席率で受験資格が得られ、実技試験は免除される)。

受講者は、会社員、主婦、医師、産業カウンセラーまで多種多様。受講動機も、職場の人間関係や家族関係をよくしたいという人から、顧客や患者とのコミュニケーションスキルを高めたいという人までさまざまだ。

受講初日に「カウンセラーなんて私は信用しない!」と宣言した女性がいたという。しかし講座が進むにつれ、徐々に表情も穏やかになり、今では信頼されるカウンセラーになりたいと学んでいるという。

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