キチンナノファイバーのアンチエイジング効果にも驚かされた。キチンナノファイバーは半透明のジェル状。そのまま洗顔後に顔に塗りたくなるほどプルプルしている。まさかあのごつごつしたカニ殻から、こんなプルプルのものができるとは。
セミナーでは、ドロドロにやけどを負った犬の皮膚にキチンナノファイバーの元となるキチンを塗布したところ、つるりときれいに治癒した画像などが紹介された。
「創傷部に塗布すると炎症反応がおさまり、上皮、真皮層の再生が確認されました。またヘアレスマウス(毛が生えていないマウス)にキチンナノファイバーを塗布すると、上皮層やコラーゲンの増加が見られました」
すでにキチンナノファイバーを配合したコスメも発売されているそうで、今後ますますアンチエイジング分野でも注目を浴びていくだろう。
鳥取大学ではベンチャー企業を設立し新規事業を開始しているという。こうした産学連携事業は最先端技術のビジネス転用が主目的だが、最先端の情報満載で、ビジネスとは縁のない受講生も楽しめるものだった。
取材講座データ | ||
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「キチンナノファイバーの食品応用」 | 龍谷大学×鳥取県×鳥取大学ジョイントセミナー | 2017年3月2日 |
文/和久井香菜子 写真/@mykeyruna/fotolia・上中弘典