「実は私、彼とホテルに行って一線越えなかったんです」
「テリー伊藤は大学院に行ったら馬鹿になった、っていわれたら、すごい褒め言葉だね」と、テリー伊藤は笑う。
「サンジャポ(レギュラー出演している『サンデー・ジャポン』/TBS系日曜9時56分~)で、橋本健市議と元SPEEDの今井絵理子参院議員の不倫疑惑問題を取り上げた時、出演者がみんな“あんなの一線超えてるに決まってる”というのをああだこうだとコメントしてたんだけど、鈴木奈々だけがそんな空気一切関係なく“実は私、彼とホテルに行って一線超えなかったんです”って言い出して。その時、すごく面白いなって笑っちゃったんですよ。こんなばかばかしいこと、ぼくには言えないなって。
ぼくはどちらかというと普段、モラル的なことを言うじゃないですか。人より年齢がいっているから洞察力があるかもしれないけど、ちょっと賢そうにしゃべってるだけ。みんなと違うことを話しているようで、所詮その延長線上にすぎないって気づいたんです。それってつまんないなって思ったの」
大事なのは“老後の心配”ではなく“老後を”のんきにじゃない?
政治家もカルト宗教もみな“このままだと日本は駄目になる”と国民を先導することに疑問を感じている、という。
「日本人はみんな真面目だから、老後の心配をしちゃうんですよね。だから“老後の心配”っていう本を作るわけです。でも本当に大事なのは、“老後をのんきに”じゃない? でも“老後をのんきに”って本は作らない。これから選挙が始まっても、政治家はみんな“このままじゃ日本は駄目になる”と言うわけですよ。口説くのでも“おれと付き合わなかったら死んじゃうぞ”と言うより、“おれと一緒に夢を見よう”と行った方がいいのに。
楽しい方がいいに決まってるのに、みんな不安を煽るんです。そうでなくて、厳しい状況の中でも、楽しい提案をしたいんですよね。
それには、鈴木奈々じゃないけど、ばかみたいなこといってるほうが“いいよなー、あいつはのんきで”ってなると思うんです。だから、大学院に行ったら馬鹿になった、のん気でいいよなーって言われたいですね(笑い)」
絵本の男の子の心理
卒業単位のための授業をとって、優秀な成績で2年で卒業するつもりはない。大学院ではなく学部の講座でも面白そうだと思う授業を受け、自分の肥やしにしたいという。
「総合政策学部の森さち子先生の授業、外国の絵本を読んでくれるんですよ。で、この男の子の心理って何だろうとか、これはどんなことを言ってるのか、とか。そういう幼児教育的なことも面白い。そういう面白そうな授業を受けて、卒業まで3年ぐらいかけてもいいかなっていうつもりです。
それに、ぼくがやりたいのはテストで点を取る、知識を増やすための勉強じゃないからね。心理学はとくに、年齢を重ねてるから得たものだったり解釈が重要になる分野。
記憶力が衰えたといっても、それに怯える必要はないかなって。もし勉強していてつまずいたら、その時に考えればいいんじゃない」
難儀しているというパソコンの習得もともかく楽しそうだ。
パワーポイントとかエクセルとかいわれても
「iPadは持っていたけど、パソコンで文字を打つっていうことをしたことがなかったんですよ。でもSFCに合格した時に、みんなから“あそこは授業もパソコンだよ”って言われて、えー!ってなって。だから2か月前に有楽町のビックカメラに行ってパソコン買ってきて、今練習しているところなんです。毎日、その日にあったことを書いていて、ワード文書に写真を挿入添付するのもできるようになりました。
ただ、エントリーはすっごく苦労しましたよ(苦笑)。履修届出さないといけないんですけど、“シラバスを出してください”って言われて。シラバスって何よって(笑い)。最初の授業でも、10月に研究発表がありますと言われて、どうやるのか聞いたら、“パワーポイント使えばいいんです”って。1か月2か月前にパソコンを覚えた人間にパワーポイントとかエクセルとかいわれても…(笑い)。ほとんど知らない言葉ばかりを当然のように言われて大変です」
困った時は、隣の席の学生に助けてもらうという。
「みんなすごく親切にしてくれる。でも、“いくらでも教えますよ”って言われてもね。向こうは頭が良くて、すでに使いこなしてる人たちでしょ。レベルが違いすぎるんですよ。でも、やっぱりそういうままならないことは楽しいよね。そうそう、今度、新歓コンパがあるんで仕事の都合をつけて行きます。楽しみなんですよ」
彼のコンパの結果は? 次回に期待。
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テリー伊藤 慶応大学院で学ぶと決めた理由は
取材・文/辻本幸路(まなナビ編集室) 撮影/渡邉茂樹
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