コラーゲンを食べヒアルロン酸をぬるのは肌に良いのか?

分子栄養学で美しい肌を手に入れる(その1)@東京農業大学

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ヒアルロン酸と水を混ぜると

(左)ヒアルロン酸と水を混ぜると……(右)あっという間に溶けてプルプルに

1gで6リットルも。驚異的な保水力のヒアルロン酸だが

「ヒアルロン酸は、1gで6リットルも保水できるという保湿性・保水性に富んだ成分です。ヒアルロン酸は真皮に多く含まれており、これも老化により減少してしまいます」

ここで、実際にヒアルロン酸の粉を水に溶いて、その触感をためさせてもらった。

粉の入ったビーカーに水を入れてかき混ぜると……プルップルの美容液みたいな液体になった。これは肌につけたらお肌もプルップルになりそうである。

しかし、ヒアルロン酸などの分子は非常に大きいので、いくら肌に塗っても浸透しないと聞く。よくヒアルロン酸やコラーゲン入りのコスメがあるけれど、いくら叩いても揉み込んでも、皮膚の中には入らない。それらを真皮に浸透させるのは、コーヒーカップの中に高層ビルを入れようとするようなものと聞いたことがある。

ヒアルロン酸は肌からは吸収されませんし、水溶性なので、お風呂に入れば全部流れて行ってしまいます

「コラーゲンは食べると効果があるのか」問題は

肌の約80%がコラーゲンでできています。コラーゲンはタンパク質の一種で、皮膚の張りや弾力に関与し、紫外線を浴びることで減少してしまいます。そして、たった1日タンパク質を取らないだけで、肌の弾力性は失われ、コラーゲン(1型)は減少してしまいます

ダイエットなどで生野菜しか食べないと、カロリーは抑えられるかもしれないが、肌にはよくないらしい。確かに、サラダのみで1日過ごした翌日は、くちびるがガサガサになるぞ……!!

そして、よくささやかれる「コラーゲンは食べると効果があるのか」問題。

答えは△です。食べたコラーゲンがそのまま皮膚にたどり着くわけではありません。ただし、摂取したコラーゲンは胃や小腸で分解されてアミノ酸やペプチドになり、小腸から吸収されます。それが血液から全身に運ばれ、皮膚のヒアルロン酸の増加やバリア機能の改善につながる可能性があるんです

なんと!ここでコラーゲンとヒアルロン酸がつながった。確かに、コラーゲン鍋を食べた翌日は心なしか肌がプルプルだ。風が吹けば桶屋が儲かる的な効果はあるわけだ。

そしてビタミンCは、コラーゲンとコラーゲンをつなぐ役目をしています。そのためビタミンCが不足すると、コラーゲンが合成されません。とはいえ、ビタミンCを取り過ぎても、尿として排出されてしまうだけなので、大量に摂るのは意味がないのです。日本人女性なら1日100mg、食べ物で言うと、おおよそ赤や黄のピーマンなら2/3個、イチゴなら7個、グレープフルーツなら1個分となります」

講座のあとに、山根先生に肌にいい食材を尋ねてみた。

「それ、よく聞かれるんですが、『これを食べればいい』というものはありません。結局は、バランスのよい食事をするのが一番です」

至極まっとうな回答である。しかし講座を聴いてから、ビタミンCを積極的に取り、和食中心の食事に変えた。穀物や大豆が肌にいいと聞けば、それは和食が手っ取り早いからだ。

(続く。次回は「美肌ホルモン「アディポネクチン」は肥満で減少する」)

山根拓実先生

山根拓実先生

〔分子栄養学と美肌の関係を知るには〕分子栄養学で美しい肌を手に入れる 【Cクラス】

文/和久井香菜子 写真/和久井香菜子、(c)andreaobzerova / fotolia

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