パズル感覚だから脳トレに
春期講座前のタイミングだったので、無料の体験講座に記者も出席させてもらった。すると、初めてハングルを書くという60代の女性、70代の男性でも、子音と母音を組み合わせるルールを習っただけで、スルスルっと自分の名前をハングルで書けるようになっていく。
「面白いですよ、組み合わせていくだけだから。ある生徒さんから『語学をやっているというより、数学をやっているみたいだ』っていわれました。『パズルを解いてるみたい』っていう人もいましたね」(羅先生)
1年で教える立場になった人も
韓国の大人気ドラマ『冬のソナタ』にハマり、60才を過ぎて入門から始めた、斉須寿恵子さんは、ハングルの書き方もわからなかったところから、1年で初級&中級を修了した。そして「先生の教え方が間違ってなかったと、私が証明します」と宣言し、自ら区の施設を借りて上級クラスの補講をするまでになった(現在は教えていない)。斉須さんはいう。
「習って間もない頃でした。ニュースでたまたま流れていた韓国語が、“全部わかるわ”って驚いちゃって。うれしいし、やる気になるじゃないですか。気づいたら韓国語の響きに惚れ込んじゃいましてね。それからは、10分とか30分とか、時間的には短いけれど、とにかく毎日、復習し続けたんです」
東京五輪での韓国語ボランティアをめざす斉須さんは、今でもたまに韓国語を勉強し始めた頃の羅先生のプリントを読み返すことがあると笑った。
言葉を習うこと自体が国際交流
「文法は習いたくない、早く会話を教えてくださいという生徒さんもいらっしゃいます。でも会話表現だけ丸暗記していると、応用がきかないんですよね」
冬ソナのヨン様(ペ・ヨンジュン)に手紙を書きたい人も、東方神起と話せるようになるのが夢だという人も、この文法理論を学ぶのが近道だと羅先生はいう。
「じゃないと『私は昨日新宿に行きたい』みたいな片言の韓国語をずっというはめになる。でも、ルールさえ覚えれば『私は先月あなたに会いたくてソウルに行ったけど』というような微妙な表現もすぐいえるようになります。文法を知る方が、会話をするうえでも絶対に近道だと、今は確信を持っています」(羅先生)
入門はハングルの読み方や書き方などから始まる、超初心者向けの内容。初級&中級になると、作文の練習もスタートする。辞書を片手に独学できるようになるのが最終目標だ。
「宿題は出しません。家で一度もノート開かなかった、という生徒さんもいますけど、それでも大丈夫です(笑)。言葉っていうのは文化じゃないですか。言葉を知りたいという気持ち自体が、国際交流になっていると思うんです」(羅先生)
◆取材講座:「韓国語会話(入門)」、「韓国語会話(初級&中級)」(国士舘大学 世田谷キャンパス)
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取材・文/まなナビ編集室