高齢者の健康に唾液が大事な理由

暮らしと健康~お口の健康~@昭和大学歯科病院

体の健康にとても大切なのが、お口の健康。いつまでも食べたいものをおいしく食べるためには、お口の機能をしっかりと維持することが大切だという。昭和大学歯科病院の公開講座「暮らしと健康~お口の健康~」で歯科衛生士の大井直さんが紹介したのが、口の機能を健康に保つための「健口体操」だ。

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昭和大学歯科病院の歯科衛生士の皆さん

唾液腺マッサージや健口体操を指導してくれた昭和大学歯科病院の歯科衛生士の皆さん。中央が大井直さん

体の健康にとても大切なのが、お口の健康。いつまでも食べたいものをおいしく食べるためには、お口の機能をしっかりと維持することが大切だという。昭和大学歯科病院の公開講座「暮らしと健康~お口の健康~」で歯科衛生士の大井直さんが紹介したのが、口の機能を健康に保つための「健口体操」だ。

健康寿命を延ばすには口の機能が大切

日本人の平均寿命は女性87.14才、男性80.98才。しかし健康寿命は女性75.56才、男性71.11才。そこには約10年の開きがある。この人生最後の10年を健康に過ごすには、しっかり栄養を取り、適度な運動をし、社会と交流を持ち続けることが大切だ。その時にとても大事なのが、口の機能を健康に保つことだという。

なぜなら、口にはさまざまな機能があるからだ。
・食べる
・話す
・呼吸する
・表情をつくる

これらをスムーズに行うには、歯(入れ歯やインプラント含め)があって、しっかり噛めて、虫歯や歯周病などがきちんと治療され、口の中が唾液でうるおっていることが必要だという。

なぜ唾液が大切なのか

高齢になると唾液の分泌量は減る。原因は主にふたつあり、ひとつは、加齢により唾液腺からの分泌物は少なくなるためである。もうひとつは、高齢者は多種の服薬をしていることが多いが、薬は分泌を抑制する方向にはたらく事があるためである。つまり加齢と服薬のW効果で、どうしても高齢者の唾液の分泌が減るのである。

では、なぜ唾液が減ると困るのだろうか。

唾液にはさまざまな作用がある。口の中を潤して発音をスムーズにしたり、虫歯を予防したり、歯の再石灰化を助けたり、口中の食べかすや菌を洗い流したりする。もちろん、消化を助けたり口の粘膜を保護したりもする。

唾液が減ってしまうと、虫歯や歯周病になりやすくなるだけでなく、入れ歯が入れにくくなったり、食べ物が飲み込みにくくなったり、話しにくくもなる。つまり、口の中の清潔を保てなくなり、栄養が取れなくなり、ほかの人と交流もしにくくなるのである。

唾液腺を刺激して唾液を出そう

年齢とともに減る唾液だが、唾液腺をマッサージすることで、その分泌を促進することができるという。

唾液腺には、耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)がある。

耳下腺は両耳の少し手前にあるので、そこを両手指で後ろから前に向かって、円を描くようにマッサージする。

顎下腺は顎の骨の内側の柔らかい部分にあるので、耳の下から顎の下まで5か所くらいを順番に押すようにマッサージする。

舌下腺は顎の真下にあるので、両手の親指で顎の真下から舌を突き上げるように押す。

このような唾液腺マッサージをすることで、唾液腺が刺激されて唾液の分泌が増すという。

食事前には健口体操も

高齢者にとって、飲み込み機能の低下は誤嚥(ごえん)にもつながる重大な問題だ。口だけではなく、首にも飲み込みに関係する筋肉があるため、食事前には、口や首の筋肉をほぐして機能を改善するための「健口体操」をするとよい。

「健口体操」で検索すると、実際の実施動画などがたくさん出てくるので、ぜひ見てほしい。また、実際に歯科医院で教えてもらうのもよいだろう。

◆取材講座:「暮らしと健康~お口の健康~」(昭和大学歯科病院)

取材・文/まなナビ編集室 医療・健康問題取材チーム

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