国宝イヤー秋の陣。阿修羅・運慶……国宝イベント目白押し

国宝の魅力について語る@明治大学リバティアカデミー

今年2017年は「国宝」という言葉が生まれてからちょうど120年。9月から次々と、国宝をテーマにした展覧会、イベント、出版が企画されている。日本の美術の教科書ともいえる国宝にどっぷり浸かる秋となりそうだ。

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今年2017年は「国宝」という言葉が生まれてからちょうど120年。9月から次々と、国宝をテーマにした展覧会、イベント、出版が企画されている。日本の美術の教科書ともいえる国宝にどっぷり浸かる秋となりそうだ。

今年は「国宝」という言葉が生まれて120年目の節目

「国宝」という言葉が生まれたのは、明治30年(1897)、今の文化財保護法の先駆けにあたる古社寺保存法が制定された際、その中で「国宝」という言葉が使われたのが最初だ。さらにこの明治30年には京都国立博物館の前身である帝国京都博物館が開館している。それを記念して京都国立博物館では、京都で開催されるのは41年ぶり3回目となる「国宝展」を開催する。では展覧会・イベントから紹介していこう。

ふだんは非公開の仮金堂で阿修羅を鑑賞。興福寺(奈良市)

国宝イヤー秋の陣の先陣を切るかたちで、9月15日(金)から奈良市の興福寺で、「興福寺国宝特別公開2017 阿修羅─天平乾漆群像展」が始まる。これは、現在耐震工事中の国宝館の代わりに、ふだんは非公開の仮講堂で、阿修羅を含む八部衆8体(国宝)、十大弟子のうちの6体(国宝)、阿弥陀如来像(重文)が展示されるものだ。
◆「興福寺国宝特別公開2017 阿修羅─天平乾漆群像展」
場所:興福寺(奈良市)
開催期間:9月15日(金)~11月19日(日)
9:00~17:00(入館は16:45まで)
料金:900円
問い合わせ先:興福寺 TEL/0742-22-7755

「国宝の魅力について語る」講座も開催。明治大学(東京・お茶の水)

9月23日(土・祝)には、明治大学で国宝をテーマとしたイベントも開催される。「国宝の魅力について語る」と題し、古代史研究第一人者の吉村武彦明治大学名誉教授と、縄文から現代アートまで幅広く日本美術を紹介している山下裕二明治学院大学教授が、国宝の魅力について語る(聴講無料・事前予約・先着800人)。
◆「国宝の魅力について語る
開催日時:9月23日(土・祝) 14:00~16:00(開場13:30)
場所:明治大学駿河台キャンパス(東京都千代田区)
アカデミーコモン3F アカデ陣ミーホール
料金:無料(事前申込制、先着800名)
*8月25日(金)10:30から一般受付開始
申し込み・問い合わせ先:明治大学リバティアカデミー事務局 TEL/03-3296-4423

「国宝の魅力について語る」

史上最大規模の運慶展。東京国立博物館(東京・上野)

9月26日(火) からは、東京国立博物館で、「興福寺中金堂再建記念特別展 運慶」展が始まる。史上最大の運慶展ということで、国宝「無著菩薩立像・世親菩薩立像(むじゃくぼさつりゅうぞう・せしんぼさつりゅうぞう)」(興福寺蔵)など運慶の代表作が展示されるほか、運慶の父・康慶、実子・湛慶、康弁ら親子3代の作品を揃え、運慶の作風の樹立から次代の継承までが展覧できるという。
◆「興福寺中金堂再建記念特別展 運慶」
場所:東京国立博物館(東京・上野)
開催期間:9月26日(火) 〜11月26日
9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで。ただし、金曜・土曜および11月2日(木)は21:00まで開館)
休館日:月曜日(ただし月曜日が祝日または休日の場合は開館し、翌平日に休館)
料金:一般 1600円
問い合わせ先:03-5777-8600 (ハローダイヤル)

京都では41年ぶりとなる「国宝展」開催。京都国立博物館(京都・東山)

さらに京都では10月3日(火)、「開館120周年記念特別展覧会 国宝」展が開幕する。「国宝」の言葉が「古社寺保存法」で使われたその年に、京都国立博物館も開館した。京都で行われる国宝展としては実に41年ぶりとなり、絵画・書跡・彫刻・工芸・考古の各分野から、歴史と美を兼ね備えた国宝約200件が4期に分けて展示されるという。
◆「開館120周年記念特別展覧会 国宝」
場所:京都国立博物館(京都・東山)
開催期間:10月3日(火)~ 11月26日(日)
9時30分~17時(入館は閉館の30分前まで。ただし金曜・土曜は21:00まで開館)
休館日:月曜日(ただし10月9日(月)は開館、10日(火)休館)
料金:一般 1500円
問い合わせ先:075-525-2473(テレホンサービス)

国宝をテーマにしたウイークリーブック週刊『ニッポンの国宝100』も創刊

出版界でもウイークリーブック・週刊『ニッポンの国宝100』(全50巻・小学館)が9月5日に創刊となる。毎週、2点の国宝が美しいビジュアルと詳細な解説で紹介され、関連国宝も合わせると、全50巻で300点以上の国宝を知ることができる。創刊号(9月5日発売)は「国宝二大スーパースター 阿修羅/風神雷神図屏風」、2号(9月19日発売)は「運慶と等伯、ここに極まれり 東大寺 金剛力士像/松林図屏風」だ。
◆週刊『ニッポンの国宝100』(全50巻・小学館)
創刊日:9月5日(火)全国書店で一斉発売

週刊『ニッポンの国宝100』(全50巻・小学館刊)

 

文/まなナビ編集室

-日本文化, 講座レポート
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