講義詳細
講座名
日本人のための第一次世界大戦史
大学
早稲田大学
キャンパス
中野校
概要
とくに日本との関係や日本からの視点をもって第一次大戦を分析し、2学期12に分けて解説する講座の前半の6で、開戦までを扱います。蒸気機関や大砲の進化から始まる近代的戦艦の成立。ドイツ統一戦争を経て徴兵制度、識字率、メディア、普通選挙整備による民主主義の進展。そしてそれにともなうナショナリズムの隆盛。石油産業の勃興と内燃機関の発達と近代兵器の誕生。地政学的見地から開戦までの各種事件を分析します。【第一:ドイツ統一戦争】蒸気機関の発達による鉄道や軍艦の発達、また金属加工技術の発達による大砲や銃器の革新を追いながら、初めて鉄道を効果的に使用したドイツ統一戦争を追う。この戦争は独仏の確執を生み、世界大戦への原因を残すことになった。【第二:徴兵制度、識字率、メディア】徴兵制が確立、軍隊が近代化し教育制度が整えられる。文字を読めるようになった大衆は新聞を中心に世論を形成し、折からの普通選挙の普及によって政治に参画するようになる。戦争は指導者が誘うものではなかった。【第三:グローバリゼーション】19世紀後半のコブデン=シュバリエ条約、蒸気船の普及、金本位制の採用など、当時のヨーロッパで発達したグローバリゼーションについて現代のそれと比較しながら考える。グローバリゼーションは戦争を避できたのか。あるいは原因となったのか。【第四:マハンと日露戦争】マハンの『海上権力史論』、マッキンダーの『歴史の地理学的転軸』などを参考に、当時のヨーロッパ世界は何故帝国主義を信奉し建艦競争に入ったのかを考える。またその論点からの日露戦争を考える。【第五:石油と内燃機関】石油産業の勃興から、自動車、航空機、潜水艦などの新兵器の登場を知る。ロイヤル・ネイビーの石炭から石油への燃料転換は何をもたらしたのか。【第六:東方問題とサラエボ事件】現代も紛争が絶えない中東、その原因のいくつかは第一次世界大戦に発する。オスマン帝国衰退の過程は当時のヨーロッパから「東方問題」と呼ばれた。中東の歴史とそこから派生した大戦前のバルカン半島での紛争、必然として現れたサラエボの暗殺者。大戦開始までの状況を最新の知見で追う。
会員価格
17,496円
一般価格
20,120円
講座期間
2017/10/26~2017/12/07
開講時間
15:00~16:30
曜日
木
講座回数
6回
定員
講師名
板谷敏彦(作家)
講師概要
板谷敏彦
作家
20代にIHI造船部門から日興証券株式部門に、ウォール街勤務が長い。複数の外資系証券幹部等を経てヘッジ・ファンドを設立。現在は作家として活動中。『日露戦争、資金調達の戦い』、『金融の世界史』(新潮選書)、週刊エコノミストに「日本人のための第1次世界大戦史」全75を連載終了。講演、企業講師等多数。
作家
20代にIHI造船部門から日興証券株式部門に、ウォール街勤務が長い。複数の外資系証券幹部等を経てヘッジ・ファンドを設立。現在は作家として活動中。『日露戦争、資金調達の戦い』、『金融の世界史』(新潮選書)、週刊エコノミストに「日本人のための第1次世界大戦史」全75を連載終了。講演、企業講師等多数。
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