講義詳細
講座名
噴火口の上の中国
大学
神奈川大学みなとみらいエクステンションセンター
キャンパス
KUポートスクエア
概要
中国の歴史はいつの時代も波乱に満ちているが、今年、2017 年も大きな曲がり角の1 年として歴史に残ることになりそうである。
1 つには5 年に1 度開かれる中国共産党の第19 回大会の開催年であること。この大会では通例に従えば次回第20 回大会で現総書記の習近平からその地位を引き継ぐ候補者が決まるはずなのだが、習近平は5 年後もさらに権力を握り続ける構えを見せているところから、秋に開かれる党大会に向かって水面下では激しくかつ複雑な動きが続いている。その成り行き次第では、現国家体制が大きく揺らぐことも予想される。
2 つには習近平が「新常態」と名付けたポスト高度成長時代の経済が安定するかどうかが今年にかかっていること。第13 期5 か年計画が昨年から始まったが、一方では過去に肥大した製鉄、鉱業、セメントなどの過剰生産設備の整理縮小と人員のリストラ、債務の清算を進めながら、一方では公共投資、減税などで景気を支えるという場当たり的な経済運営を余儀なくされている。2020年には1 人あたりGDPを2010 年の2 倍にするという習近平の公約の成否は今年次第と言ってよい。
3 つにはまだ不確定要素が大きいが、米国のトランプ新大統領の中国に対抗的な政策がどこまで現実化するかである。とくに中国が米国人の雇用を奪っているとして、高関税をかけるなどによって中国からの輸入を減らすという政策が現実になれば、中国経済の基本的な構造にも影響する。また「1 つの中国の原則に縛られない」というトランプ発言は中国にとって容認できないものだけに、外交面でどんな波乱が生じるか、予断を許さない。
これらの問題点を今年前半が終わった時点で検証し、秋以降の動きを見る参考としたい。
会員価格
4,500円
一般価格
5,000円
講座期間
2017/05/23~2017/06/06
開講時間
15:00~16:30
曜日
火
講座回数
3回
定員
50人
講師名
田畑光永(元神奈川大学教授、ジャーナリスト)
講師概要
1960 年東京外国語大学中国語科卒業、同年TBS に入社。中国北京・香港支局長、TBS テレビキャスターなど歴任。1996 年から2006 年まで神奈川大学教授。専門は現代中国論、マスコミ論。主要著書に『勝った中国・負けた日本―記事が映す断絶八年の転変―(一九四五年~一九五二年)』(御茶の水書房)、『中国を知る』『鄧小平の遺産』(以上、岩波書店)、『中国のしくみ』(ナツメ社)など。
住所
神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-1 クイーンズタワーA14階
アクセス
横浜高速鉄道みなとみらい線(東急東横線直通)「みなとみらい」駅より徒歩2分/JR根岸線・市営地下鉄「桜木町」駅より徒歩7分
申込
要
日時の変更もありますので、開講情報は必ずこのページの大学HPからご確認ください。
この情報は大学の許可をとっています。