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200年ぶりの譲位まであと11か月。即位の儀式は1年にも及ぶ

国士舘大学教授の藤森馨先生

藤森馨先生の講座風景

江戸後期の119代光格天皇(1771~1840)以来、約200年ぶりとなる天皇譲位まで1年を切った。新天皇の即位にあたっては実にさまざまな儀式が必要になるという。宮中祭祀に詳しい国士舘大学教授の藤森馨先生は、歴史をさかのぼってその詳細を語った。

1年にもわたる即位儀式

国士舘生涯学習センターで開催された公開講座「皇位継承とさまざまな儀式」で、宮中祭祀に詳しい国士舘大学教授の藤森馨先生は、簡単に「即位」と言っても、そこには実に様々な儀式が存在するという。

「数々ある儀式のなかでも、まず重要なのが『剣璽等承継の儀(けんじとうしょうけいのぎ)』。これは、天皇陛下が皇位を継承された際に、三種の神器である剣璽を先帝から譲りうけるというものです。三種の神器の継承は、正当な天皇の後継者としての証ゆえ、絶対に欠かせません。ちなみに、特別な参拝のときには、剣璽が御動座(ごどうざ 御座所を移すこと)されることもあります。2014年の天皇陛下の伊勢神宮ご参拝のときにも、天皇陛下と一緒に侍従などが剣璽を持ち、お供していました」

なお、この儀式が始まったのは、桓武(かんむ)天皇(781年に即位)の皇太子であり、第51代天皇となる平城(へいぜい)天皇(806年に即位)の時代から。

「桓武天皇の崩御で、皇太子であった安殿親王(あてのみこ)が天皇に即位するにあたり、この『剣璽等承継の儀』が行われました。新天皇が即位するにあたっては、『天皇の位を受け継ぐ“践祚(せんそ)”』と、『天皇の位につく“即位”』という過程を経なければなりません。『剣璽等承継の儀』は、この『践祚』にはなくてはならない儀式なんです」

桓武天皇以前は、践祚と即位に区別はなかった。だが、平城天皇以降は、両者の間は明確に区別されるようになったという。「践祚」の後には、天皇の位に就いたことを三権の長以下に宣下する「即位後朝見(ちょうけん)の儀」や、内外への宣下となる「即位の礼」や「大嘗祭(だいじょうさい)」が行われ、初めて「即位」が完了する。なお、現代では、前天皇が崩御後直ちに践祚が行われ、喪明け後に即位の儀式の準備が行われることになっている。

即位にあたっては、最も有名な即位の儀式である「大嘗祭(だいじょうさい)」など、数多くの儀式が控えている。(詳しくは、宮内庁HP(コチラ)を参照)

「新・天皇陛下だけでなく、上皇の譲国の儀式なども行われます。すべての儀式を完了するまでには、最低でも1年。新天皇は夜を徹して行われる儀式も多く、我々一般人から考えても、かなり体力的に厳しいものが続くと予想されます」と藤森先生は語る。

国士舘大学教授の藤森馨先生

 

◆取材講座:「皇位継承とさまざまな儀式」(国士舘大学生涯学習センター世田谷キャンパス)

文・写真/藤村はるな