まなナビ

学び直しのきっかけは1枚のチラシでした

きららさん(55歳)/大阪府/最近ハマっていること:手紙を書くことです

いつもの習慣で、朝刊を読んだ後に、折り込みチラシに目を通し始めた時のことです。手作り感のある、見慣れないチラシに目が留まりました。きれいにカラー印刷された、大量のチラシの中で、その白黒印刷されたチラシは、逆に目立つ存在となっていたのです。

どうやら、小中学生を対象とした算数・数学教室のチラシのようです。大手の塾とは違い、少人数の生徒さんを、丁寧に指導してくれる形態だと書かれています。教室の場所も、その先生のご自宅らしく、わたしが子供のころに通ったお習字教室を彷彿とさせるものでした。我が子は、算数教室に通う年齢でもないので、関係ないとは思いながらも、妙に興味をひき、その内容をじっくりと見てみました。すると、教室の時間割の欄に、「お母さんのための算数・数学教室」という時間があるではないですか。

それを見つけた瞬間「面白そう!行きたい!」と心が弾みました。わたし自身は、自他共に認める文系脳を持った人間です。高校を卒業して以来、数学とは無縁であり、特に数学を勉強したいと思ったこともないわたしが、なぜ、そのチラシのその文言に惹かれたのか、今でも不思議です。その日から、急激に「数学を勉強したい熱」が高まりました。残念ながら、そのチラシの教室は、時間帯に折り合いがつきませんでした。インターネットで、このようなわたしでも受け入れてくれる数学教室があるのかと探したところ、運よく見つけることができたのです。

「高校受験レベルの数学を学び直したい」という希望です。もう一度、すらすらと方程式を解き、因数分解をさっとこなし、関数のグラフを読み解き、平方根の計算も、図形の面積も、証明問題も、できるようになりたい。先生に、そのような希望を伝えると、1冊の問題集を見繕ってくださいました。ペラペラとページをめくっていくと、懐かしい数学用語がたくさん並んでいます。まるで、同窓会にでも行った気分です。しかし、同窓会で、再会した人の名前が思い出せないことがあるように、数学の問題も、懐かしがっているだけでは、解くことはできません。解答を見ても、解説を読んでも、理解できないことばかりです。そのたびに先生に解説を求めると、丁寧に、じっくり教えてくださいました。ああ、なるほど!すっきりしました!毎回、教室では、先生にお礼を申し上げるばかりです。

一通り、1冊の問題集を終えたところで、先生に「次は高校生レベルに進みますか?」と訊かれました。いいえ、わたしは、数学を楽しみたいと思うので、無理はしたくありません。今、ようやく楽しくなってきたので、このまま、中学生の数学を楽しみたいと思います、と答えました。「学びを楽しむ」とは、新しいことや高度なことにチャレンジするだけでなく、過去に学んだことをもう一度、思い出し、繰り返すことでもあると知りました。特に大人の学び直しは、好きなことだけ、ゆっくりと、これが楽しむ秘訣だと感じました。そして、きっかけは思わぬ所にあるものだということも知りました。