まなナビ

よくばり語学学習

坂の上の雲さん(56歳)/埼玉県/最近ハマっていること:バレエ鑑賞

私は現在NHKのEテレの語学番組で自学自習をしています。

外国語との出会いは中学時代の英語でした。と言っても、英語に親しんだのは学校ではなく、近所の塾でした。今日的にはいかがかという気もしますが、講師は地元の高校の英語教師でした。是非はともかく教え方は抜群でした。語学に限りませんが、良き師との出会いというのはつくづく大切です。

大学時代には、ドイツ語とフランス語を履修しました。単位取得を目当てにした履修で、体育会の活動と並行しての予習はしんどかったけれど、苦痛に感じませんでした。

卒業旅行で欧州に行った時、最初に訪れたイタリアではイタリア語の学習経験がなかったにもかかわらず会話には不自由しませんでした。次の訪問国のスイス、ドイツでも難なコミュニケーション出来ました。ところが次に訪れたフランスではフランス語はおろか英語さえもまったく通じませんでした。当時(80年代前半)のフランスでは英語を話す人は嫌われましたし、東洋人(当時は東洋人≒日本人でした)はやや見下されていたように感じたものです。

その後、仕事と生活に忙殺されていたのですが、年齢も50代となりやや余裕が出始めた頃、NHKのEテレに語学番組があるのを知りました。最初は、学生時代に履修しなかったスペイン語からスタートしました。とても新鮮でした。程なく、イタリア語も視聴するようになりました。

テキストも購入せず、ただ視聴しているだけですから歩みはのろいのですが、それでも楽しい、と感じるに十分でした。追ってドイツ語とフランス語の視聴に繋がって行くのにそう時間は必要ありませんでした。

すると内から「他の言語は学ばなくていいのか?」と聞こえて来るようになりました。順次、中国語、ハングル、ロシア語、アラビア語と加わり、週に8カ国語を録画して視聴するようになりました。欲張り過ぎて却って習得を遅らせているのではと自省する事もしばしばです。その上「ながら学習」ですので1~2年が過ぎても、まったく語学力が上がらない事に焦りを感じるようにもなりました。

そこで手掛けたのがノートを取ると言う事です。ハングルやアラビア語は馴染みがなかったのでノートを取るにも、一字一句、写経のように書き写すのですから大変な労力が必要でした。もっと実用的なヒアリングとスピーキングを磨くべきではと感じる事もままあります。それでも、最近は書き取りも当初と比べて幾分早くなったと思いますし、読めるようにもなりました。「石の上にも三年」ですね。

ノートを取りながら学習していると、何だかんだで週に8時間くらい費やします。時々寝落ちしたりして「学生時代にもこんなに熱心に勉強しなかったなあ」なんて苦笑したりします。この話をすると一番訊ねられるのが「何のために?」という質問です。この先、彼の地で勤務する可能性は殆どありませんから自己満足と言ってしまえばそれまでです。何かを身に付けるためには一つ一つ(この場合は一ヶ国語ずつ)確実に、というのが常道だと分かってはいますが、人生の残り時間と言うものを計算した時、それだと間に合わない、と考えたのです。同様の理由で、週末は、合気道と空手の両方に汗を流しています。こちらも50を過ぎて始め、合気道は今年初段を允可されました。空手の方も現在一級ですので、そう遠くない将来、黒帯が巻けるかもしれません。

新しい何かが身に付くのは幾つになっても楽しいものです。いつの日か日本語と英語を併せて10カ国語を解する人間になれるよう精進を続けていこうと考えています。