まなナビ

「学びと私」コンテスト 9月はこんな作文が集まりました![1]

9月30日が締め切りの第2回「学びと私」作文コンテスト。1次審査を通過して第2回金賞候補作になった作文のうち一部をここで紹介します。

70歳になり、子ども時代のマリンバ熱再び

数年前、何気なく新聞広告を見ていた私。「うそーっ! マリンバの生徒募集!?」。

そんな教室があるの!? 何度も見返した。

私は木琴と小学校の音楽の授業で出会って以来、毎日ポンポンと叩いていた。自己流もいいところ。先生に習うなどとは思いもしなかった小学校時代。

音楽会にはもちろん木琴を弾いていた。熱は冷めず、中学時代も高校時代も一人で叩いていた。

木琴は、少しずつ大きな物になり、半音がつき、スタンド式になり、ついに就職した年に、姉に頼んでプロ仕様の最低ランクのマリンバを親に借金をして購入。弟や友の結婚式には余興で弾いたりもした。

しかし時が経ち、結婚し子供も生まれ、夫の脱サラの仕事にも追われて、マリンバは忘れ去られ弾くこともなく邪魔にされる始末。そのまま置いておいても宝の持ち腐れと、欲しいという中学校に寄付した。

 

そんな中で見つけた広告。マリンバの熱は再び。でも、70歳の私には申し込む勇気がなかなか持てず、広告を見てから1週間が過ぎてしまった。やっとの思いで電話。すでに定員オーバーとのこと。エーっと落ち込む。

それから数年。新聞広告を見続ける日が続く。そんな時に見つけたのです。前回のことがあるので迷わず電話。申し込むことができた。

すでに子どもたちは皆巣立ち、夫も亡くして一人暮らし。でもワクワクと希望が湧いてきたことを思い出す。

バスに乗って稽古に通う。デパートですら一人で行くことができなかった私がだ。第一歩を踏み出すことができた。子ども時代からの夢が叶った瞬間だった。

嬉しくて嬉しくてたまらなかった。初めてのレッスンの感動は、今も思い出す。グループレッスンと思っていたら、個人レッスン。月2回の30分。まだ30代と若い先生(プロの演奏家でもある)。マレット(木琴を叩くばち)の持ち方から教わった。

楽器ではなく、テーブルを交互に叩く単純な練習。左手を前に、右手を90度に曲げての構え。習うことの嬉しさに、あっという間に30分。時間の短さに驚く。

 

習い始めて10ヶ月を迎える頃、中古のマリンバを買った。やっぱり音が出ることはいい。ますます練習に力が入る。予習復習は怠りなく、我ながら優等生だと思う。

3年が経つ頃には、マリンバの発表会があった。

他の生徒さんに会うことは、稽古の時にすれ違うくらいだったが、他の人の演奏を聴くことができてよかった。

皆さんはやはり若く、長く習っているようだった。またまた刺激を受け、上手くなりたいと思う。

75歳を過ぎてもまだ前を向いている自分に、自分で驚く。これもマリンバのおかげだと思う。目も耳もリズム感も落ちていく中、これ以上は良くならないが、少しでも留まっていたい。

まだまだ教わることはいっぱい。ほんの少し前に進めたことが嬉しい。嬉しいことが変化していくこともまた嬉しい。そんな毎日だ。

〔M.S.さん(76歳)/静岡県〕

 

スペイン語を通じて中南米へと興味が広がった

何年も習いたいと思っていたスペイン語を、母の大学入学に感化されて6年前から学び始めました。仕事が忙しい中、続けられるのか不安もありましたが、始めてみればそれはそれは楽しい毎日になりました。スペイン語に関してはまったく真っ白な状態だったので、大学の一般講座の入門クラスから参加しました。これから始める大人のためのプログラムのため、スペインにまつわる雑談などを交えながらの楽しい授業でした。クラスのレベルが上がって行くうちに、予習復習も必要になっていきます。それすらも楽しく、とてもメリハリのある日々を過ごしております。

また、そこで出会ったクラスメイトの方々も宝物です。みなさんそれぞれに、スペイン語以外にも色々な趣味を持ち、それをさらに磨いていらっしゃることを聞いて、いつもワクワクしています。さらにずっと続けている方々との食事会が不定期にあり、先生も参加していただけたことがありました。入門のクラスの先生には、私たちの成長ぶりに感動していただけました。自分たちではあまり実感はないのですが、中々難しいことも会得できているようです。あまり頑張らずに、長く楽しく続けて行くことが秘訣なのかと思います。

スペイン語は中南米のほとんどの国で使われていることを、恥ずかしながら学びはじめてから知りました。それからは中南米にも行ってみたいと思い、するとそれらに関する色々な情報を目にする機会が増えました。アルゼンチンタンゴ、ミロンガの情熱的なステップ、ウユ二塩湖の素晴らしい景色、チリの風の街、ウルグアイの詩人など……。

以前はスペインを旅行することだけに興味がありましたが、中南米の魅力にもとりつかれ、特にウルグアイにはいつかしばらく滞在したいと思い、さらにスペイン語の勉強にも力が湧いて来ます。その前に、スペインの巡礼の旅も実現したいと思っています。

とても大人になってから何かに興味を持ち学ぶということは、さらに世界が広がる嬉しいことだと実感しております。

〔Maryさん/東京都〕

 

40歳を目前に始めた中国語

 今から5年前、単なる思い付きで中国語を勉強し始めました。

 それまでは勉強とはあまり縁のない人生で、学生時代も成績は普通、社会人になってからも毎日が職場と家の往復でした。40歳を目前にし、このままでよいのかという思いがふとよぎり、たいした目的も無く語学でも勉強しようかと思い立ちました。中国語を勉強しようと決めた理由も単純で、アルファベットより漢字のほうがよく解るだろうと思ったためです。

 そのころたまたま近所に語学スクールがオープンしたので、迷わず申し込みしました。勉強を始めてみるとやはり想像以上に難しかったのですが、中国人の先生に励まされ、どんどんのめりこみました。中国通の同級生にも中国の文化や生活などを教えてもらい、それまでの人生で全く関わりのなかった「中国」に、物凄く興味を惹かれました。

 私は語学の勉強の延長で、中国の伝統行事を真似たり、中国の伝統芸術の吉兆花文字を描いてみたり、太極拳を始めたりと、どんどんチャレンジしていきました。私は子供の頃から何事にも消極的な性格でしたが、中国語学習がきっかけで物凄く積極的になったと感じます。

 それともうひとつ「学び」を通じて変わったことといえば、引っ込み思案だった性格が、人前に出られるようになったことです。これは、スクールの授業で発言することから始まり、ネイティブの中国人と中国語で会話するという経験を何度かした結果、自分から発信するというプレッシャーを乗り越えることが出来るようになったためです。会社の会議の席で発言することや、朝礼で皆の前で話すこと、最近では中国語歌唱コンクールに参加し、大勢の人の前で歌まで披露しました。これらはもちろん、5年前の自分では考えられませんでした。

 また、昨年は、念願だった上海旅行も経験しました。ツアーではなく自分でスケジュールを組み、カタコトの中国語で2泊3日の上海を堪能しました。残念ながらそれまでの4年間の語学力ではスムーズな日常生活とはいきませんでしたが、レストランでの食事、観光地での買い物、さらに言えば目的地まで電車で行くというだけでもカルチャーショックの連続でした。一番思い出に残っているのは、朝の魯迅公園で、たくさんの人がダンスや太極拳を楽しんでいる中、自分も中国人にまぎれて太極拳をしたことです。人見知りだった私が外国で見知らぬ人たちと太極拳をするなど、両親でさえ思いもしなかったことでしょう。

 5年間中国語を勉強してきて感じることは、今までわからなかったことがわかる喜び、できなかったことができるようになる楽しさ、そして何より、新しい世界への扉が開いたような感覚です。若い頃に、何故これらに気がつかなかったのかという悔やみもありますが、例え何歳になろうが「学び」は学ぶ者に新しい日常をもたらしてくれると感じています。学ぶことで新しい明日を迎えることに、今更ながら胸を躍らせる毎日です。

〔池乃 大さん(43歳)/京都府〕

 

9月分(第2回)の金賞発表は10月下旬を予定しています!

 

(一部の作文に、編集室がタイトルやルビをつけ、文字の訂正などをしています)

「学びと私」コンテスト 1次審査通過作文をもっとチェック!
9月はこんな作文が集まりました![2]
9月はこんな作文が集まりました![3]
9月はこんな作文が集まりました![4]

第1回「学びと私」コンテストの金賞作品はこちらから
8月(第1回)の金賞3本が決定しました